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フェイスブックのリブラ計画に先行き不透明感-米財務長官も懸念表明

更新日時
  • ムニューシン財務長官:マネロンのリスクなどリブラに深刻な懸念
  • 規制当局の疑問に十分に対処するまではリブラを導入せず-幹部
libra facebook
Photographer: Libra

ムニューシン米財務長官は15日、フェイスブックの仮想通貨「リブラ」計画に懸念を表明した。リブラを巡ってはトランプ大統領が11日にツイッターで批判したほか、下院金融委員会のウォーターズ委員長や米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長ら政策当局者らも懸念を示しており、ムニューシン長官も同調したことで、フェイスブックが計画実現に向けて克服しなければならないハードルが鮮明になった。

  ホワイトハウスで記者会見したムニューシン長官は、フェイスブックのリブラ計画や他の仮想通貨による国家安全保障上の影響を深刻に懸念していること発言。マネーロンダリング(資金洗浄)や他の不正行為が発生する可能性は高いと述べ、財務省が違法行為の発見時に取り締まると言明した。

  同長官は「これは確かに国家安全保障上の問題だ」と述べ、 「デジタル資産サービスプロバイダーが隠れて活動することを当局は許さない」と付け加えた。

ムニューシン財務長官はトランプ政権がフェイスブックのリブラ計画を非常に懸念していると説明。

  仮想通貨ビットコインはニューヨーク時間15日午後2時42分(日本時間16日午前3時42分)現在、9.6%安の10765.78ドル。

  フェイスブックは個人データの不正流用問題を巡って既に米議会から非難されており、16日に上院、17日に下院でそれぞれ開かれる公聴会でも同社はリブラ導入計画に関して再び批判にさらされそうだ。

  同社でリブラを担当するデービッド・マーカス氏は上院銀行委員会での公聴会を前に準備した証言原稿で、リブラが金融システムの脅威になりかねないとの政策当局者の懸念を和らげるため、会社側の従来の立場より踏み込んだ見解を示した。

  マーカス氏はリブラが規制当局の疑問に十分に対処するまでは導入されないと述べ、フェイスブックは「適切な承認」を獲得していくと説明。リブラは各国の法定通貨との競争を意図したものではなく、中央銀行の金融政策に干渉することはないと付け加えた。  

  ムニューシン長官は今週フランスで開催される主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で、この問題について取り上げると述べ、パウエルFRB議長とこの問題を「広範囲に」論議していることも明らかにした。

原題:
Facebook’s Crypto Woes Deepen as Mnuchin Joins Parade of Critics(抜粋)

(フェイスブック幹部の証言予定を追加して更新します)
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