米0.25ポイント利下げはほぼ確定的な様相-FOMCの注目点
Christopher Condon-
NY連銀総裁の講演巡る混乱で0.5ポイント利下げ観測は後退
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地区連銀総裁の一部は利下げに異議も-2人が反対票投じるか
米金融当局は31日まで2日間開く連邦公開市場委員会(FOMC)で、約10年半ぶりとなる利下げを決めるとともに、さらなる行動の余地を残すと広く見込まれている。トランプ米大統領は「大幅な」利下げを催促しているが、今回の引き下げ幅は0.25ポイントにとどまる見通しだ。
マクロポリシー・パースペクティブズ創業者のジュリア・コロナド社長は、FOMCメンバーのうち「1人ないし2人が反対票を投じるかもしれないが、25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げはほぼ確定的と見受けられる」と語った。
FOMCは米東部時間午後2時(日本時間8月1日午前3時)に声明を発表し、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が2時半から記者会見に臨む予定。
今会合で予想される政策決定の輪郭は、今月18日に講演したニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁のコミュニケーション上の不手際で図らずも浮き彫りとなった。
低金利環境の下、景気悪化の場合には速やかな政策措置を講じるべきだとしたウィリアムズ総裁の講演テキストの内容が伝わると、金融市場ではいったん0.5ポイント利下げ観測が急速に台頭した。
しかし同連銀がその後の声明で、総裁の発言は月末の会合を念頭に置いたものではないと説明すると、この観測は後退した。トランプ大統領はこの件に関し、ウィリアムズ総裁の最初の発言の方が好ましいとツイートした。
このように政策決定の概要がほぼ想定されるとはいえ、興味深い未知の要素は残っている。利下げ幅が0.25ポイントになるとしても、どの程度の反対があるかや、追加緩和の余地を巡ってどのようなシグナルが発せられるかはまだ分からない。
これら2つの不確実性の背景にあるのは、米経済の成長がどの程度鈍化する可能性があり、金融政策でどのように対処すべきかという疑問点だ。
元FRB金融政策局長で、現在は米エール大学教授のウィリアム・イングリッシュ氏は「当局者の多くにとって、25bp利下げは頭金のように感じられるだろう。だが、さらなる情報を得るため静観の姿勢を保ち、将来的にどの程度の緩和が適切か判断を下すことになるだろう」と話した。
FRBウオッチャーは、一部の地区連銀総裁が利下げに異議を唱えると予想。このグループには今年のFOMC投票権メンバーであるカンザスシティー連銀のジョージ総裁とボストン連銀のローゼングレン総裁が含まれるため、両総裁が反対票を投じる可能性がある。当局者の間に見解の相違があれば、8月21日に公表されるFOMC議事要旨で全体像を把握することができる。
原題:Fed Looks Locked In for Quarter-Point Cut: Decision Day Guide(抜粋)