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米銀行株の受難、ETFからは今年最速ペースで資金流出

世界の金融市場にとって厳しい週だった。米株式市場では特に、銀行銘柄が最も大きな下げに見舞われた。

  KBW銀行株指数では、構成する24銘柄全てが前週比でマイナス。金利低下で利益が圧迫されるとの懸念が広がった。ブルームバーグがまとめたデータによると、金融株に連動する米上場投資信託(ETF)からは週初から8日までに15億ドル(約1580億円)超が流出。これは今年最速の流出ペースだ。ファイナンシャル・セレクト・セクターSPDRファンド(XLF)は8営業日連続で資金流出に見舞われており、流出額は合計で30億ドル近くに上る。

Traders yank $3 billion from bank ETF in eight days

  米中貿易戦争がエスカレートしたことを受け、株安・債券高という状況がもたらされた。今週に入ってからは、米国債市場で広くリセッション(景気後退)の指標として注目されている長短金利逆転の幅が、2008年の金融危機前以来の大きさとなった。金利低下や米金融当局による追加利下げの可能性から、市場関係者の間では銀行が受ける打撃の規模や時期を巡り懸念が強まっている。

  ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は、金利低下やイールドカーブ(利回り曲線)平たん化の影響で金融機関の利幅は圧迫されつつあると指摘。「景気減速の兆候が増えているという事実」も足を引っ張る材料だと加えた。

原題:Bank Carnage Has Traders Exiting ETFs at Fastest Pace in 2019(抜粋)

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