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8月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:円やフランが高い、世界経済の悪化懸念-ドルも上昇

  14日のニューヨーク外国為替市場では、円とスイス・フランといった逃避先通貨とドルが上昇。米国債の利回りで逆イールド現象が起きるなど、世界経済を巡る憂慮すべき兆候が示されたことが手掛かり。米株式相場は大きく下げた。

  • この日は景気に関する悪いシグナルが強まった。米10年債利回りは2年債利回りを下回った。リセッション(景気後退)の兆候とされる逆イールドの現象は、英国でも発生。中国とドイツでの低調な経済データも懸念を強める一因となった
  • ニューヨーク時間午後4時40分現在、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇
  • 円は主要10通貨のうち最大の上げ。ドルは対円で一時1%下落。2番目に高いのはフランで、ドルは対フランで一時0.6%下げた
  • ロス米商務長官は9月にワシントンで再開されることになっている米中の貿易協議について、具体的な日程は設定されていないと発言
  • 香港での抗議活動が激化したことを受け、米国務省は香港への渡航に関して注意を呼び掛けた
  • 米10年債は一時13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて1.57%と、2016年9月以来の低水準。30年債利回りは過去最低となる2.01%を付けた
  • 円は対ドルで0.7%高の1ドル=105円95銭
  • ユーロは対ドルで0.3%安の1ユーロ=1.1133ドル
  • オーストラリア・ドルとカナダ・ドルは下落。原油相場の値下がりが影響

欧州時間の取引

  欧州時間も円やフランが上昇。一方で資源国通貨は下落した。中国の経済データが軟調だったことや、米政権による対中関税の一部発動延期でも貿易戦争が沈静化するのはほんの一時的との懸念が背景にある。
原題:Dollar and FX Havens Advance as U.S. Stocks Slump: Inside G-10(抜粋)
Havens Gain as Traders Unconvinced by Tariff Relief: Inside G-10

◎米国株・国債・商品:株が急落、ダウ800ドル安-逆イールドに

  14日の米株式相場は大幅反落。主要株価指数が今年有数の下落率となる一方、米国債は大きく値上がりした。世界経済減速の兆候が重なり、リセッション(景気後退)懸念が広がった。

  • 米国株は大幅反落、米国債逆イールドを警戒-金融株が安い
  • 米国債は大幅反発、2年債利回りが一時10年債利回りを上回る
  • NY原油は大幅反落、米在庫増が予想外に増加-株安も売り材料
  • NY金先物は反発、経済見通し不安で逃避需要

  S&P500種株価指数が3%近く下げたほか、ダウ工業株30種平均は800ドル安と今年最大の下げとなり、構成30銘柄が全て下落。2007年以降で初めて10年債の利回りが2年債利回りを一時下回ったことで、株安に拍車が掛かった。30年債利回りは過去最低水準に達した。業種別ではゴールドマン・サックスをはじめとする金融株の下げが目立った。

  S&P500種株価指数は前日比2.9%安の2840.60。ダウ平均は800.49ドル(3.1%)安の25479.42ドル。ナスダック総合指数は3%低下。ニューヨーク時間午後4時50分現在、米10年債利回りは12ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.58%。

  FTSEラッセルの世界市場調査担当マネジングディレクター、アレック・ヤング氏は「米中貿易を巡る不透明性が根強い中で、まず売ってあとで疑問を解消させる傾向が投資家の間で強まっている」とコメント。「ボラティリティーを反転させられるのは、世界経済の成長が底入れしたことを告げる確かな証拠しかないようだ」と語った。

  米国債は大きくブルフラット化。中国と欧州の弱い経済指標で世界経済に対する懸念があらためて強まり、株安が加速したのが背景。米10年債の2年債に対するプレミアム(上乗せ利回り)は一時マイナス1.92bpとなる場面があった。

  ニューヨーク原油先物相場は大幅反落。世界的な株安となったことや、米原油在庫が予想外に増加したことで、景気減速懸念が強まった。エクセル・フューチャーズのマーク・ワゴナー社長は、投資家には「ろうばいが見られる」と指摘した。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物9月限は1.87ドル(3.3%)安の1バレル=55.23ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント10月限は3%安の59.48ドル。

  ニューヨーク金先物相場は反発。中国とドイツの経済統計を手掛かりに世界経済の見通し不安が広がる中、逃避先資産に資金が流れた。米中貿易摩擦は緩和の兆しが出ているが材料視されなかった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.9%高の1オンス=1527.80ドルと、中心限月としては2013年4月以来の高値で終えた。
原題:U.S. Stocks Tumble as Economic Worries Mount: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Bull Flatten as Global Distress Mounts, Stocks Slide
Oil Slips as Swelling Stockpiles Alarm Already-Panicked Market
PRECIOUS: Gold Closes at Fresh Six-Year High Amid Haven Demand

◎欧州債:ユーロ圏の利回り曲線ブルフラット化、英米国債は長短逆転

  14日の欧州債市場ではユーロ圏国債のイールドカーブが大幅にブルフラット化した。中国やドイツで発表された一連の低調な経済指標を手掛かりに、英米の国債では逆イールドカーブが発生した。イタリア10年債は上昇。同国の内閣信任投票はいつになるのか、まだ確定していない。

  • ドイツ債は朝方から上昇。中国の小売売上高や工業生産はいずれも予想を下回った。ドイツ経済は第2四半期に縮小した
  • イタリア債は上げ幅を拡大。英米で国債利回りの長短逆転が発生し、投資家の利回り追求が加速した
  • ドイツ10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げてマイナス0.65%、フランス10年債利回りは5bp下げてマイナス0.37%。イタリア10年債利回りは9bp下げて1.53%
  • ユーロ参加国の国債利回りとスプレッドの一覧はこちらをクリックしてください

原題:EGB Curves Bull-Flatten, U.K. Sees Inversion: End-of-Day Curves(抜粋)

(NY外為と米国株・国債・商品を更新します.)
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