Photographer: MLADEN ANTONOV/AFP
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レポ市場混乱、米金融当局が正しい金利を目標にしているのか疑念生む
Rich Miller最近起きた米短期金融市場の混乱は、米金融政策運営の根底に隠された大きな問題を浮き彫りにした。的外れになりつつある金利を目標としていることだ。
米金融当局が目標とする銀行間の翌日物金利であるフェデラルファンド(FF)市場で取引される資金は1日当たり1000億ドル(約11兆円)に満たない。一方、金融機関が財務省証券を現金に交換するレポ市場では1兆ドルを優に上回る資金が日々取引されている。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の米金利責任者、マーク・カバナ氏は「FFは瀕死(ひんし)状態の市場だ」と指摘。「銀行が真面目に貸し借りを模索する場所には相当しない」と述べた。
こうした見方を背景に、米金融当局は金融政策を実行する上での枠組みを変更するべきだとの声が上がっている。レポ金利が最大10%急上昇した先週のような混乱発生の可能性を低下させ、金融システムと経済を支える短期金融市場に対する米金融当局の手綱を強めることが狙いだ。
米金融当局が取り得る最も急進的、かつ恐らく現時点では最も可能性が低い措置は、FF金利を目標にするのを完全に放棄して、経済的にもっと重要な短期金利を採用するというもの。
それほどあからさまではないながら、米金融当局が大幅な変化をもたらし得る措置としては、ニューヨーク連銀の公開市場デスクが短期金融市場でオペを実施する際のルール微調整があるだろう。FF金利を誘導目標レンジ内に単に維持する任務に代わって、短期金融市場の他の部分で生じた圧力に対応するため、同デスクにもっと大きな裁量を与えることも可能だ。
原題:
Repo Turmoil Spawns Doubt Fed Is Targeting Right Interest Rate(抜粋)
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