【債券週間展望】利回りスティープ化か、超長期入札が続き警戒感強い
船曳三郎11月第3週(18-22日)の債券市場では、超長期ゾーンにかけて利回り曲線がスティープ化(傾斜化)しやすいと予想されている。日本銀行が過度の金利低下を抑制する姿勢を見せているうえ、超長期国債の入札が12月半ばまで毎週続くことへの警戒感も強いとみられている。
市場参加者の見方
◎野村証券の中島武信シニア金利ストラテジスト
- 12日の30年入札後に相場が崩れ、20日に20年入札を控えて残存10-25年の日銀オペも弱めの結果となり、全力では買い難くなっている
- 30年ゾーンは米債対比で最も割安だが、6週連続の超長期債入札や日銀のけん制姿勢から修正しづらく、入札が続くので投資家も買いを焦っていない
- 少なくとも20年までのカーブはスティープ化しやすい。30年入札後の嫌な思い出があり、20年入札結果が無難でも買い進まれにくいだろう
- 長期金利の予想レンジはマイナス0.12%~マイナス0.07%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- スティープ化が警戒されていることや、米国債利回りの上昇懸念は残っており、足元で積極的な国債の買い材料は見当たらない
- 日銀オペ減額への警戒感や景気底打ち期待も続いており、入札が続く中で上値追いには慎重な投資家が多いだろう
- 20年入札は幅広い投資家から需要が見込めるのではないか。利回りが上昇すれば投資家の押し目買い姿勢も強まる
- 長期金利の予想レンジはマイナス0.11%~マイナス0.05%
日銀オペ予定
対象年限 | 直近の通知額 | |
---|---|---|
19日 | 1-3年 | 4200億円 |
3-5年 | 3400億円 | |
5-10年 | 3500億円 |
過去の日銀国債買い入れオペの結果一覧
国債入札予定
年限 | 発行予定額 | 前回の表面利率 | |
---|---|---|---|
18日 | 流動性供給 (残存期間1年超5年以下) | 4000億円程度 | ー |
20日 | 20年 | 9000億円程度 | 0.3% |
22日 | 流動性供給 (残存期間5年超15.5年以下) | 6000億円程度 | ー |
主な材料
- 20日:米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(10月29、30日分)
- 22日:10月の全国消費者物価指数(CPI)
- 22日:欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が講演
- 24日:香港区議会選挙
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