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債券上昇、地政学的リスクで買い-オペ結果や10年入札警戒で上値限定

更新日時

大発会の債券相場は上昇。米国とイランの情勢緊迫化を背景にリスク回避の買い圧力が掛かった。一方、日本銀行が実施したオペ結果で需給の緩みが示されたほか、あすの10年債入札を控えた警戒感もあり、上値は限定的となった。

  • 新発10年債利回りは一時、前営業日比2ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.045%と昨年12月5日以来の低水準。その後マイナス0.035%に戻す
  • 新発20年債利回りは一時0.24%、新発30年債利回りは一時0.375%、新発40年債利回りは一時0.395%と、それぞれ昨年11月以来の水準に低下
  • 長期国債先物3月物の終値は16銭高の152円34銭。一時は152円62銭まで上昇したが、午後に入り上げ幅縮小

市場関係者の見方

バンクオブアメリカ・メリルリンチの大崎秀一チーフ金利ストラテジスト

  • 米国は大統領選挙を控えてイランに対して強気の姿勢を続ける可能性があり、リスクを取りにくい中で債券は買われやすい
  • 国内投資家の資金がプラス利回りの超長期債に入りやすい面も
  • 一方、日銀オペ結果で昨年末までに買われていた超長期債の利益確定売りが確認されたほか、あすの10年債入札にはマイナス利回りでの需要に警戒感も
長期国債先物3月物の日中取引推移

日銀オペ

  • 対象は残存期間1年超5年以下と10年超。買い入れ額は各ゾーンで前回から据え置き
  • 応札倍率は全ての年限で前回から上昇
  • BofAの大崎氏
    • 倍率などをみると超長期ゾーンでやや弱い感じの売りが出た
    • 利回り曲線がだいぶフラット(平たん)化しているので、超長期債を売ってあすの10年債入札に備える動きも一部あった可能性
  • 備考:過去の日銀オペの結果一覧

背景

  • トランプ米大統領は5日、イランへの大規模な報復を警告。一方、イラク議会は同日、駐留する外国部隊の撤退を求める決議案を可決
  • この日の東京株式相場は大幅安。日経平均株価は451円76銭安の2万3204円86銭で引け

新発国債利回り(午後3時時点)

2年債5年債10年債20年債30年債40年債
-0.165%-0.145%-0.035%0.260%0.400%0.420%
前営業日比-3.0bp-1.5bp-1.0bp-1.5bp-1.0bp-1.0bp
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