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ゴーン被告逃亡で裁判の行方不透明に-日産、ケリー被告の公判分離も

  • ケリー被告裁判の判決でゴーン被告の正当性判断できる-郷原弁護士
  • ケリー被告の裁判は予定通り4月の見通し-喜田村弁護士

日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告のレバノンへの逃亡で同被告の公判開始が難しくなった。一緒に審理する方針だったグレッグ・ケリー被告(前日産代表取締役)の裁判の先行きも見通せなくなっており、同一の刑事事件に関与した複数の被告人の公判を別々に行う公判分離が現実的な選択肢として浮上している。

  ケリー被告はゴーン被告と共に2018年に金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で東京地検特捜部から逮捕、起訴された。刑事訴訟法では、軽微な犯罪を除いて被告人が公判期日に出頭しないときは開廷することはできないと定められている。

  元検事の郷原信郎弁護士は今後の公判について、「ゴーン氏の事件と分離してケリー氏の事件を進めることになるだろう」との見方を示す。ケリー被告の公判で重要な証人となるゴーン被告が不在のため、証人尋問ができないことになるが、「裁判自体は行えなくはない」と述べた。

  その上で「ケリー氏の裁判が有罪になるか無罪になるかで、ゴーン氏の逮捕が正当だったかについての判断にもなる。そういう意味では注目すべきだ」と話した。

  ケリー被告の弁護人を務める喜田村洋一弁護士は、ゴーン被告についてのコメントは控えたが、ケリー被告の初公判は予定通り4月に行われるとの見通しを示した。

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