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Photographer: Alexander Koerner/Getty Images Europe
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ブラックロック、気候変動問題を7兆ドル投資戦略の中心に位置付け

米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、気候変動は考えられているよりも早く世界の金融情勢を一変させるとして、米企業経営者らに早急な対応を訴えた。

  フィンク氏は年次書簡で、ブラックロックはこの問題に関連した対応を数千社への投資に適用すると表明。気候変動問題に関してこれまでになく強い警鐘を鳴らした。

Key Speakers at the Handelsblatt Banking Summit

ラリー・フィンク氏

  約7兆ドル(約770兆円)ある資産の3分の2余りを指数連動商品で保有するブラックロックとしては、容易ではないかもしれない。そうしたファンドにおける保有資産の変更は、MSCIなどの企業が決定するベンチマークに何が組み込まれるかに左右される。

  気候変動問題の活動家らは、ブラックロックが温暖化などの問題に対処していないとさまざまな場でフィンク氏を批判してきた。フィンク氏は14日、ブラックロックの投資プロセスに関して、気候変動と結び付いた具体的な変更を明らかにした。

  フィンク氏は書簡の中で、「気候変動は企業の長期見通しを決定付ける要素になった」と指摘。「意識は急速に変化している。金融の形が根本から変わる局面は、すぐそこに来ている」と述べた。

  資産運用会社にはサステナビリティー(持続可能性)の面で対策を求める声が強まっており、特にブラックロックに対しては環境問題を巡る対応に批判が集まっている。

  フィンク氏が14日明らかにした変更には、ポートフォリオ構成やリスク管理においてサステナビリティーを必須要素とすることや、サステナビリティーに関して高いリスクをもたらす投資からの撤退、化石燃料を選別する新たな投資商品の開発、投資スチュワードシップにおけるサステナビリティーと透明性へのコミットメント強化が含まれる。

原題:
BlackRock Puts Climate at Center of $7 Trillion Strategy (3)(抜粋)

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