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米国株が上昇、WHOがウイルス対策強化

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A pedestrian walks under scaffolding during construction work near the New York Stock Exchange.
A pedestrian walks under scaffolding during construction work near the New York Stock Exchange. Photographer: John Taggart/Bloomberg

30日の米株式相場は上昇。世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態を宣言し、対策を強化したことが好感され、主な株価指数は取引終了前に上げに転じた。米国債は終盤の取引で上げを失った。

  • 米国株は上昇、WHO見解発表後に買い
  • 米国債は上げ失う、WHO見解受け-10年債利回りは1.59%
  • NY原油は続落、新型肺炎による需要減を懸念
  • NY金先物は上昇、13年4月以来の高値-ウイルス懸念で逃避需要

  WHOは、新型肺炎への対応として渡航や貿易を制限する措置は現時点では必要ないとの見解を示した。これを受け、S&P500種株価指数は下げを埋めた。ウイルスの感染拡大は続いているが、この日のWHO見解は拡大封じ込めに向けた取り組みが強固なことを示唆。世界経済への影響を懸念していた投資家に安心感を与えた。

  S&P500種株価指数は前日比0.3%高の3283.66。ダウ工業株30種平均は124.99ドル(0.4%)高の28859.44ドル。ナスダック総合指数は0.3%上昇。ニューヨーク時間午後4時45分現在、米国債市場では10年債利回りが1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)未満上昇の1.59%。

S&P 500 closes higher after spending most of Thursday in the red

  アルファシンプレックス・グループの主任調査ストラテジスト、キャスリン・カミンスキ氏は「今回の件に関して、市場は影響をどう判断したらいいのか、恐らく分かっていないのではないか」と電話で指摘。「ニュースの見出しを手掛かりに動いているのかもしれないし、これが意味するところが定かではないという全般的な不安があるのかもしれない」と語った。

  この日は米国債利回り曲線の主要部分で10月以来初めて長短金利が逆転する逆イールドが発生。3カ月物財務省短期証券(Tビル)と10年物の利回り格差(スプレッド)は一時マイナス2bpとなった。

  ニューヨーク原油先物相場は続落。新型ウイルスの感染拡大で燃料需要が減るとの警戒感が強まった。この状況を踏まえてサウジアラビアは、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の緊急会合を2月に開くよう求めたが、ロシアの反対に遭っていると関係者らが明らかにした。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物3月限は1.19ドル(2.2%)安の1バレル=52.14ドルで終了。月初来では15%安となっている。ロンドンICEの北海ブレント3月限は前日比1.52ドル安の58.29ドル。

  ニューヨーク金先物相場は上昇、2013年4月以来の高値に達した。新型ウイルス懸念の高まりが逃避需要を支えた。前日には米金融当局が政策の据え置きを示唆した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は0.8%高の1オンス=1589.20ドルで終了。

原題:U.S. Stocks Advance After WHO Coronavirus Remarks: Markets Wrap(抜粋)

Treasury Gains Fade After Coronavirus Declared Global Emergency

The Inverting Yield Curve Is About More Than Recession This Time

Oil Dives Toward Worst Monthly Loss Since May on Virus Fears

PRECIOUS: Flaring Virus Fears Boost Gold to Highest Since 2013

(市場関係者のコメントやチャート画像を追加、相場を更新します)
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