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ECBのバイトマン氏、インフレ目標の微調整にオープンな姿勢示唆

  • 「分かりやすく、将来を見据え、かつ現実的な」目標が必要
  • 必ずしも今より高い必要はない-現在の目標は2%弱

欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのバイトマン・ドイツ連邦銀行総裁は3日、ECBには「分かりやすく、将来を見据え、かつ現実的な」インフレ目標が必要だとした上で、必ずしも今より高い必要はないと述べた。

  ラガルドECB総裁が先月開始した金融政策の再検証について、バイトマン氏が自身の立場を明確にしたのはこれが初めて。ECBは「2%を下回るが、それに近い」とするインフレ目標を何年も達成できていないが、この目標の微調整にオープンな姿勢をバイトマン氏は示唆した。

  同氏の見解は、今年後半に予想される政策検証結果の鍵を握る可能性がある。バイトマン氏は、ドラギECB前総裁が導入した大胆な金融緩和によく反対したことで知られる。

  これまで浮上した提案には、インフレ目標を単純に2%とし、その周辺に容認できる変動幅を設ける案などが含まれる。別のECB政策委員会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁は、グローバル化など中銀では制御できない物価の下方圧力を反映させるため、インフレ目標の引き下げを支持している。

  一部の学者からは、中銀に政策余地を持たせるためインフレ目標を2%以上に設定すべきだとの意見もこれまでにあったが、バイトマン氏はこれを一蹴。インフレ「目標を大きく引き上げれば、インフレ期待が定着しなくなるリスクを高める可能性がある」とし、「より高いインフレ率は人々へのコストを伴う」と述べた。コメントはドイツ語から英語に翻訳された。

原題:
ECB’s Weidmann Signals Openness to Tweaking Inflation Goal(抜粋)

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