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中国フードデリバリー業界、奇貨とできるか-ウイルスで休校・休業

  • 5億人を超える人々が利用-配達員は300万人にも上る
  • SARS流行時、在宅強いられた人々はネットショッピングに夢中に

新型コロナウイルスの感染拡大で中国の巨大な食料配送ネットワークが混乱している。人々の生活に支障を来し、経済を支える企業にも悪影響が及んでいる。

  ここ10年で中国ほどフードデリバリーがビジネスとして幅広く根付いた国はない。5億人を超える人々が利用し、配達員は300万人にも上る。だが新型ウイルス感染での死者が増えるにつれ、トレードマークの青や黄色の上着を着用した配達員はウイルスを保有している恐れがあるとして敬遠されている。

  これが360億ドル(約3兆9100億円)規模に拡大したこの業界と、関連するあらゆる業界を揺さぶっている。このサービスに頼る飲食店は瀕死(ひんし)の状態で、消費者は食事・食料の確保に必死だ。

Quiet Financial and Shopping District As Markets Reopens to Crisis After Break

美団点評の配達員(上海、2月3日)

  業界大手2社、美団点評とアリババ・グループ・ホールディングは自社事業を守るためだけでなく、当局による移動制限が課されている多数の住民を支援するため、健康懸念への対応を急いでいる。

  もしフードデリバリー企業が消費者の信頼を取り戻すことができれば、休校や休業を伴う外出規制を奇貨とすることができる。2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時には、在宅を強いられた人々がインターネットショッピングに夢中になった。

  この市場の9割を握る美団点評とアリババ傘下の餓了麼は配達員の健康状態についてのコメントを控えているが、配達員と顧客を守る措置を重視。美団点評は184都市で配達員と直接接触せずに特定の配達地点で食品を受け取ることのできるサービスを導入している。餓了麼も一部の都市で同様のサービスを展開。両社とも配達員にマスク着用と定期的な配送ボックス消毒、毎日の体温測定の敢行を求めている。

原題:
Chinese Abandon Food Delivery Fearing Drivers Will Spread Virus(抜粋)

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