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Photographer: Jason Alden/Bloomberg
Cojp

EUが英離脱でMiFID2修正を検討、ロンドン拠点銀行を狙い撃ち

  • オープンアクセス、リサーチ料分離など英国への譲歩を巻き戻しへ
  • 数日内に最初のフィードバック要請へ、7-9月に正式提案-関係者

英国の欧州連合(EU)離脱で自由になれると感じているのは、当の英国だけではない。英国の影響から解放されたEU当局は、ロンドンの金融街に対して行った妥協を取り返そうと攻勢に出る。

  ドイツやフランス、EUの当局者は金融危機後に成立させた第2次金融商品市場指令(MiFID2)のうち、英国に譲歩した部分の修正を検討している。

  欧州議会でMiFID2に関する議論をリードするマルクス・ファーバー議員(ドイツ出身)は「欧州最大の金融市場がいまやEUの外にあるという事実は、金融サービスの規則全般の同等性を変える」と主張。そうはならないと考えるのは「甘い」だろうと、電子メールでコメントした。

  事情を知る関係者によると、EUは数日内に銀行やその他企業を対象に最初のフィードバックを求める見通し。正式な提案は7-9月(第3四半期)になるという。

  ファーバー氏がドイツ財務省、ドイツ取引所とともに見直しを求めているのは、MiFID2のうち「オープンアクセス」と呼ばれる条項。デリバティブ市場の競争を促進する目的で、取引と決済を異なる市場で行うことを認めており、2020年半ばの発効が予定されている。ロンドン証券取引所グループ(LSE)の後押しで導入が決まったが、上場商品に対する欧州企業の支配力を弱めるとの懸念があった。

  もう一つ英国が推進したのが、投資リサーチ代金とトレーディングサービス手数料を切り離すよう義務付けた規則だ。この規則に対し、ロンドンを拠点とする米銀など大手による略奪的な価格設定を可能にしているとの指摘が欧州勢にはある。フランスの市場当局者は、競争を阻害するような低価格でのリサーチを大手が提供するのを禁止することを検討している。

原題:
Brexit Worsens for Wall Street as Europe Shakes Up Finance Rules(抜粋)

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