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【債券週間展望】景気先行き懸念で長期金利低下-超長期債オペ注目

2月第2週(10-14日)の債券市場では長期金利が低下する見通し。新型肺炎の感染拡大による景気の先行き不透明感が根強い中、安全資産としての債券買い圧力が掛かりやすい展開が見込まれている。そうした中、日本銀行が10日に実施する超長期債対象オペでの通知額に注目が集まる。

市場参加者の見方

◎三井住友トラスト・アセットマネジメントの押久保直也シニアエコノミスト

  • 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からない事実があらためて確認されており、引き続き市場心理は不安定な状態が続く見通し
  • 物流の停滞などによる経済への影響が長期化する懸念が意識されやすく、金利は低下方向を試すとみる
  • 一方、週明け10日の日銀オペでは超長期債の買い入れ回数減に伴う1回当たり通知額の変更幅が焦点
  • 金利低下圧力が強い中で、通知額が前回から据え置かれる場合は月間で大幅な減額となるが、マイルドな減額にとどまれば、フラット(平たん)化圧力は抑制できないだろう
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.09%~マイナス0.02%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 中央銀行の金融緩和姿勢や各国の景気対策への期待から投資家のリスク回避姿勢は和らいでいるものの、新型肺炎の感染拡大による世界経済の減速懸念はしばらく続く見通し
  • 利回りの大幅な上昇は見込みづらいだろう
  • 日銀が利回り曲線の過度なフラット化をけん制していることから、上値追いには慎重だが、国内投資家の資金余剰感は強く、押し目買い需要は多い
  • 引き続き良好な需給環境が相場の下値を支えるだろう
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.06%~マイナス0.02%

日銀オペ予定

対象年限直近の通知額
10日10-25年1000億円
25年超300億円
13日1-3年4200億円
3-5年3400億円
5-10年3500億円

入札予定

発行予定額前回の表面利率
12日物価連動債4000億円程度0.1%
14日

流動性供給入札

(残存期間5年超15.5円以下)

6000億円程度

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