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2月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、新型ウイルスで成長懸念-ドルは上げ消す

  10日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが上げを消す展開となった。一方のユーロは対ドルで4カ月ぶり安値付近に下落。新型コロナウイルスが世界経済に及ぼす影響が引き続き懸念されている。欧州ではメルケル独首相の後継を巡る不透明感も生じた。

  • ニューヨーク時間午後4時25分現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数はほぼ変わらず。一時は0.1%上昇する場面もあった。ドルは主要10通貨に対しては高安まちまち。同10通貨では、ポンドとノルウェー・クローネの上げが目立った一方、ユーロとデンマーク・クローネは値下がり率上位
    • 今週はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が11、12両日に半期に一度の議会証言を行うなど、米金融当局者の発言が相次ぐ。上院では、FRB理事に指名されたジュディ・シェルトン、クリストファー・ウォラー両氏の承認公聴会も開かれる
  • ユーロは対ドルで0.3%安の1ユーロ=1.0911ドル。昨年9月30日以来の安値となった
    • 欧州の低調な経済指標と強まる新型ウイルス懸念に、ユーロは圧迫されている
    • ユーロは対円で1週間ぶりに1ユーロ=120円を割り込んだ
    • ユーロへの下向き圧力を踏まえ、対円でユーロのショートを勧める-TDのストラテジストら
  • カナダの住宅着工と着工許可件数は市場予想を上回ったものの、カナダ・ドルは4営業日続落
    • モルノー加財務相は、新型ウイルスの感染拡大は加経済に「実質的な」影響をもたらす可能性が高いと警告
  • ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=109円75銭

原題:Euro Sinks on Growth Conerns; Dollar Erases Gains: Inside G-10(抜粋)

◎米国株・国債・商品:S&P500が最高値更新、ウイルス懸念よそに

  10日の米株式相場は反発。投資家は新型コロナウイルス感染拡大が経済に与える影響を特に材料視せず、代わりに発表予定の企業決算を意識した。米国債は続伸。

  • 米国株は反発、S&P500が最高値更新-エネルギー関連は安い
  • 米国債は続伸、10年債利回りは1.56%に低下
  • NY原油は約1年ぶり安値、OPECプラス緊急会合への期待が後退
  • NY金先物は続伸、WHO事務局長のウイルス警告に反応

  S&P500種株価指数は終値ベースの最高値を更新。業種別指数は大半が上昇したが、ニューヨーク原油先物がバレル当たり50ドルを割り込んだことから、エネルギー関連株は下げた。

  S&P500種株価指数は前週末比0.7%高の3352.09。ダウ工業株30種平均は174.31ドル(0.6%)高の29276.82ドル。ナスダック総合指数は1.1%上昇。ニューヨーク時間午後4時51分現在、米10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.56%。

  中国国外のウイルス感染例が増加し、さまざまな企業が国際会議への参加見送りを決める中で、投資家は感染率が安定しつつあるかどうかを見極めようとしている。新興国市場では、金融当局が金融システムのてこ入れに向けて介入する動きが見られる。中国人民銀行(中央銀行)はリバースレポを通じ資金を供給した。

  オッペンハイマーのチーフ市場ストラテジスト、ジョン・ストルツファス氏は、新型ウイルスのこれまでの感染拡大は「不安を誘うものだが、この疾病は世界的な注目を集めており、やがて拡大を食い止める解決法が見つかる公算は大きい」とリポートで指摘。「先週発表された経済指標は米労働市場の力強さと底堅さを浮き彫りにしたほか、経済成長の持続可能性も示すものだった」と説明した。

  今週はアリババ・グループ・ホールディングスやクレディ・スイス・グループ、ネスレなどの大手企業決算発表が予定されている。

  ニューヨーク原油先物相場は続落。バレル当たり50ドルを割り込み、ここ1年余りで最低の水準となった。新型肺炎が世界的に需要を押し下げる中、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の緊急会合が開催されるとの期待が後退し、供給だぶつき懸念が高まった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物3月限は75セント(1.5%)安の1バレル=49.57ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント4月限は1.20ドル安の53.27ドル。

  ニューヨーク金先物相場は続伸。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が新型ウイルスに関し、「われわれは氷山の一角しか見ていない恐れがある」と警告した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は0.4%高の1オンス=1579.50ドルで終了。

原題:U.S. Stocks Hit Record Despite Coronavirus Fears: Markets Wrap(抜粋)

USTs Rally With Stocks; Swap Spreads Tighten Into Deal Pricing(抜粋)

Oil Sinks to Lowest in a Year as OPEC Dithers on Output Cut(抜粋)

Gold Holds Gain After WHO Chief’s ‘Tip of the Iceberg’ Warning(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債はブルフラット化、政治的なリスクなお残る

  10日の欧州債市場ではユーロ圏国債がブルフラット化し、ドイツ10年債利回りは月初来の最低へと再び近づいた。新型コロナウイルスを巡る不透明感が背景にある。イタリアでは鉱工業生産が予想以上の活動縮小を示した。アイルランド債は下げ渋り。同国では8日に下院選挙が行われた。市場関係者は引き続き、シンジケート団を通じた英国の超長期債発行に注目している。

  • アイルランド債はアンダーパフォーム。次期政権を巡る不透明感が材料となった。週末の下院選では、かつてのテロ組織アイルランド共和軍(IRA)の政治部門を前身とするシン・フェイン党が躍進した
    • 政治的な不透明性はドイツでも強まった。与党CDUのクランプカレンバウアー党首は10日、年内の辞任を発表した
  • イタリア債は軟調。格付け会社フィッチ・レーティングスは7日、イタリアの見通しを「弱含み」で据え置いた。市場予想では「安定的」への引き上げもあり得るとみられていた。鉱工業生産は昨年12月に前月比2.7%減と、市場予想の0.6%減を大幅に下回った
  • 英国は週内に2071年10月償還債(表面利率1.625%)を売り出す。BofAはシンジケート団による引き受けが11日に行われると予測する
  • ドイツ10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げてマイナス0.41%、イタリア10年債利回りは0.95%で変わらず
  • ユーロ参加国の国債利回りとスプレッドの一覧はこちらをクリックしてください

原題:Bunds Bull-Flatten as Political Risk Remains: End-of-Day Curves(抜粋)

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