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2月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ユーロは乱高下後に安定、円にはまだ上昇余地との声も

  14日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロが下げ止まり、もみ合った。週間ベースでは2週連続で下落。欧州の経済成長を巡る懸念を背景に、域内の金融緩和観測が高まった。ドルは値下がり。米小売売上高の統計がさえない内容となった。ニューヨーク原油先物相場の上昇を追い風に、カナダ・ドルは堅調だった。

  • ニューヨーク時間午後4時56分現在、ユーロは対ドルで0.1%安の1ユーロ=1.0831ドル。週間では1%安
    • 主要10通貨の中で、ユーロの軟調は5営業日続いている。ユーロ圏の鉱工業生産は昨年12月に、ほぼ4年ぶりの大幅減となった。ユーロは今年に入って約3.3%下げており、年初のパフォーマンスとしては2015年以来の弱さ
    • ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、エリック・ネルソン氏:
      • 「ユーロに対するファンダメンタルな打撃に加え、ユーロ圏経済の弱さも欧州中央銀行(ECB)政策に関して『低金利の長期化』という見方を補強する方向に作用している。これに後押しされ、ユーロを調達通貨としたキャリー取引が続いている。短期的にはこうした要因で、ユーロは守勢に立たされる可能性がある」
  • 主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数はほぼ変わらず。米国債利回りの低下を一因に圧迫されたが、今週付けた2カ月ぶり高水準付近にはとどまっている
    • 1月の米小売売上高の統計では、飲食店と自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたベースのコア売上高が前月比変わらず。市場では増加が予想されていた
    • 一方、2月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は、ほぼ2年ぶり高水準となった
  • ドルは対円で0.1%未満下げて1ドル=109円78銭
    • INGのフランチェスコ・ペソル氏:
      • 「新型コロナウイルスはリスクセンチメント回復と本格的な逃避の両方を妨げ、為替市場に立ち往生の状態をもたらしている」
      • 「コロナウイルスのニュースをきっかけとした円の上昇にはまだ余地があり、1ドル=109円を割り込む円高になるには、ウイルス関連のニュースが決定的に悪化する必要があるだろう」

原題:Euro Steady After Rough Week, Loonie Outperforms: Inside G-10(抜粋)

◎米国株・国債・商品:S&P500最高値、もみ合いの末-原油52ドル台  

  14日の米株式相場はS&P500種株価指数が小幅高。プレジデンツデーの祝日を17日に控える中、比較的堅調な内容の1月の米小売売上高や、新型コロナウイルスの感染拡大症例に関する中国当局の発表内容を消化する展開だった。米国債は続伸。

  • 米国株はS&P500とナスダックが小幅高、出来高は平均未満
  • 米国債は続伸、10年債利回りは1.59%に低下
  • NY原油は続伸、ウイルス影響楽観で52ドル台回復-週間でも上昇
  • NY金先物は続伸、ウイルス懸念根強く週間でも値上がり

  出来高が平均を下回ったこの日、S&P500種は前日終値を挟んでもみ合いを続けた末、終値ベースの最高値を再び更新した。業種別指数はエネルギーや一般消費財が下げたが、テクノロジーや公益、不動産は上昇した。

  S&P500種株価指数は前日比0.2%高の3380.16。週間ベースでも上昇した。ナスダック総合指数は0.2%上昇。一方、ダウ工業株30種平均は25.23ドル(0.1%)安の29398.08ドル。ニューヨーク時間午後4時32分現在、米10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.59%。

  この日発表された米経済指標では、1月の小売売上高が4カ月連続で増加。2月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は2018年以来の高水準となった。

  トランプ米政権が株式購入奨励策を検討しているとのCNBC報道が伝わって米国株が持ち直した後、米国債先物は日中高値付近を離れた。

  ニューヨーク原油先物相場は4日続伸。新型ウイルス感染症例の急増は一時的なものだとの見方が、投資家に安心感を与えた。ゴールドマン・サックスは20年原油需要見通しと第1四半期の原油価格見通しを下方修正したが、楽観ムードの方が優勢となった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物3月限は63セント(1.2%)高の1バレル=52.05ドルで終了。終値が52ドルを超えるのは今月初めて。ロンドンICEの北海ブレント4月限は1.7%高の57.32ドル。

  ニューヨーク金先物相場は3日続伸。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は0.5%高の1オンス=1586.40ドルで終了。週間ベースでも0.8%上昇した。新型ウイルスの世界経済への影響に対する懸念が根強くある。マイナス利回りの投資適格級債券が130億ドルを突破する中、代替投資としての金需要も高まっている。

原題:Stocks End Week Higher Despite Virus Questions: Markets Wrap(抜粋)

Treasuries Advance, Holding Gains After Mixed Retail Sales Data(抜粋)

Oil Posts Weekly Gain Despite Goldman’s Gloomy Demand Outlook(抜粋)

PRECIOUS: Gold Notches Weekly Gain With Virus Outbreak in Focus(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債上昇、英国債も高い-イタリア債はほぼ変わらず

14日の欧州債市場でドイツ債が小幅高。イタリア債はほぼ変わらず。英国債は幅広い年限で上昇した。

  • ドイツ債はブルフラット化した
  • 英国債は上昇。13日に発表された財務相の突然の交代で、歳出拡大見通しもしぼんだ
  • ドイツ10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げてマイナス0.40%、英10年債利回りは3bp下げて0.62%、イタリア10年債利回りは1bp上げて0.92%
  • ユーロ参加国の国債利回りとスプレッドの一覧はこちらをクリックしてください

原題:
Bunds Rise, Gilts Outperform, BTPs Steady ; End-of-Day Curves(抜粋)

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