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【米国株・国債・商品】金融危機以来の大幅株安、原油は25%下落

9日の米株式相場は8%近く急落。金融危機後で最悪の一日となった。新型コロナウイルスへの不安で神経質になっていた金融市場は、全面的な原油価格競争への懸念で動揺した。米国債は大幅上昇し、利回り水準が急低下した。

  • 米国株は金融危機後で最大の下げ、ダウ平均は2000ドル超下落
  • 米国債は大幅続伸、10年債利回り一時0.5%割れ
  • NY原油は25%安、1991年以来の大幅-ロシア・サウジが価格戦争
  • NY金先物は小幅続伸、株式市場大荒れでボラティリティー急上昇

  S&P500種株価指数は2008年12月以来の大幅下落。取引開始と同時に売り込まれ、4分後には7%安となってサーキットブレーカーが発動、15分間売買が停止された。2月19日に記録した過去最高値からの下落率は19%に近く、弱気相場入りが目前に迫った。ダウ工業株30種平均は2000ドルを超える下げとなった。

  S&P500種株価指数は前週末比7.6%安の2746.56。ダウ平均は2013.76ドル(7.8%)安の23851.02ドル。ナスダック総合指数は7.3%下落。ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは22ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.54%。

Stocks sink amid oil shock, coronavirus fears

  投資家は米国で何らかの新型コロナ対策が出るかどうかに注目しているが、トランプ政権は感染拡大が抑制されているとの認識を変えていない。チャールズ・シュワブのトレーディング・デリバティブ担当バイスプレジデント、ランディ・フレデリック氏は「市場はこのボラティリティーに脆弱(ぜいじゃく)な状態にあった。原油相場がそれをより深刻にした」と指摘。「コロナウイルス自体が調整の主要因だが、今ここでそれがさらに誇張された」との見解を示した。

  米国債利回りはイールドカーブ(利回り曲線)全体で1%を割り込む史上初の事態となった。10年債利回りは一時0.5%を割り込み、30年債利回りは0.99%となった。

  ニューヨーク原油先物相場は前営業日に続いて急落。29年ぶりの大幅安となった。新型コロナの影響で需要減少が見込まれるところに、ロシアサウジアラビアがそれぞれ増産の方針を表明。価格戦争への懸念が広がった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は10.15ドル(25%)安の1バレル=31.13ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は24%安の34.36ドル。

  ニューヨーク金先物相場は小幅続伸。原油相場の急落が世界株安の引き金となって市場の不安をあおり、金先物のボラティリティーを測るCBOE/COMEX金ボラティリティー指数は2015年以来の高水準となった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は0.2%高の1オンス=1675.70ドルで終了。一時は1704.30ドルと、中心限月としては2012年12月以来の高値を付けた。

原題:U.S. Stocks Plunge Most Since Financial Crisis: Markets Wrap(抜粋)

Oil Plunges Most Since 1991 After Producers Embark on Price War

Gold Volatility Jumps to Four-Year High Amid Stock-Market Panic

(市場関係者のコメントなどを追加、相場を更新します)
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