コンテンツにスキップする
Subscriber Only

【欧州債】イタリア債など周辺国債が急落、ECBの政策対応に失望

  • イタリア債利回りは過去最大の上昇、スペインやフランス債にも売り
  • ECBの存在理由は債券スプレッドを埋めるためでない-ラガルド氏

12日の欧州債相場は株式とともに大幅安。欧州中央銀行(ECB)の政策対応では欧州経済のリセッション(景気後退)入り阻止に不十分だと投資家に判断された。

  イタリア国債利回りは1日として過去最大の上昇。ポルトガルとスペイン、フランスの国債も、ECBの量的緩和(QE)拡大が期待を下回る規模だったことから下落した。

  ラガルドECB総裁は政策発表後の記者会見で、ECBの存在理由は加盟国間の債券スプレッドを埋めるためではないと言明。これを受けてリスク指標とされるイタリアとドイツのイールドスプレッドは、昨年6月以来の大きさへと拡大した。

Yields on Italy's 10-year bonds jump most on record to the highest since August

  みずほインターナショナルの欧州金利戦略責任者、ピーター・チャットウェル氏は「ECBが担う第一の責務が、債券市場に危機を引き起こすことだとは知らなかった」と皮肉を述べ、「まさに2011年をほうふつとさせる。当時はECBの利上げが周辺国の国債危機を招いた」と続けた。

  ECBがQE拡大を決定すれば、周辺国とフランスの国債が最も恩恵を受けるとみられてきた。ECBは年内に計1200億ユーロ(約14兆1000億円)の資産購入追加を発表したが、対象は民間部門が中心になるとされた。

  イタリア10年債利回りは62ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.79%、フランス10年債利回りは16bp上昇のマイナス0.16%。ドイツ10年債利回りは変わらずのマイナス0.74%だった。

原題:Europe’s Markets Go Into Meltdown After ECB Stimulus Disappoints(抜粋)

BTPs Collapse After Lagarde Disappoints; End of Day Curves

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE