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Photographer: Akio Kon
Cojp

ドル・円下落、米緊急利下げで一時105円台-日銀も緊急緩和強化

更新日時

東京外国為替市場のドル・円相場は下落。欧米で新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中、米連邦準備制度理事会(FRB)が緊急利下げを実施した。日本銀行が緊急の金融政策決定会合で金融緩和強化策を決定したものの、相場は上値が重い動きが続いた。

  • ドル・円は午後3時41分現在、前週末比1.3%安の106円29銭。一時1.8%安の105円74銭まで売られた後107円57銭まで下げ幅を縮小する場面も 
    • 13日終値は107円62銭、16日早朝は107円29銭で取引開始
ドル・円は日銀緩和受けても軟調な動き

市場関係者の見方

みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジスト

  • 為替市場では日銀の政策をどう評価するかで迷っている印象。株式市場が一時好感したことから、その意味で期待をちょっと上回ったといえる。ただ、米株先物が安値圏に張り付いており、海外時間にかけてまだ油断できない状況
  • 量的質的緩和拡大の効果は不透明だが、FRBを始めとした主要中銀が緩和する中で協調姿勢を示したことが重要。そういう中で、為替の方向性を決定づけるほどではなかった
  • ドル・円はリスク回避の円買いの中でドル買いも見えてきた。ボラティリティーが高い中で、各国の緩和に伴う通貨安もあり106円台、107円台を中心に振幅の大きい相場が続きそう

りそなホールディングスの市場企画部の梶田伸介チーフストラテジスト

  • 今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で1%の利下げや量的緩和に踏み込むといったことは市場で想定されていたが、タイミングはサプライズだった
  • 各国で財政当局、金融当局がマーケットを落ち着けようと動いてるのはポジティブな材料

背景

  • 日本銀行は16日開いた緊急の金融政策決定会合で、積極的な国債買い入れなどの潤沢な資金供給や上場投資信託(ETF)などの積極的な資産買い入れ、新たな企業支援措置を柱とする金融緩和強化策を決定。マイナス金利の深掘りは見送った

    • 日経平均株価は前週末比429円安で取引を終えた。日銀の追加緩和を受けて一時354円高となる場面もあった
  • FRBは政策金利のフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標をゼロ-0.25%に引き下げ。新型ウイルスを乗り切ったと確信を持つまで金利をゼロ近辺に維持すると表明
  • FRBや日銀、ECB、英中銀、カナダ中銀、スイス中銀の各主要中銀は米ドル流動性供給に関する協調行動を発表

  

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