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新型コロナ経済対策、現金給付も検討課題に-消費喚起策が焦点

更新日時
  • アイデア段階だが、迅速に支給できる面も-西村再生相
  • 政府・与党は有識者ヒアリングを開始へ-安倍首相ら出席

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策で消費喚起策が焦点の一つとなっている。与野党からは現金給付や消費税減税などの案が浮上。西村康稔経済再生担当相は19日の会見で、効果を見極めた上で「規模も含めてさまざまな可能性を検討したい」と述べた。

  西村氏は現金給付は「まだアイデア段階のもの」とした上で、「所得制限をやらなければ、商品券などと比べて迅速に支給できるという面はある」と指摘。ただ、実際にどの程度消費につながるのかという論点もあるため、期間限定の商品券発行など他の政策も含めて検討していく考えを示した。

  一方、麻生太郎財務相は19日の会見で、経済対策の規模について「どれくらいのものを財政で出動すべきか、今の段階で決めている訳ではない」と述べた。麻生内閣での現金給付については「あまり効果がなかったという記憶がある」との認識も示した。

  今回の新型コロナ対策ではトランプ米政権が最大130兆円規模の景気対策の柱として国民への現金給付を検討している。日本でもリーマンショック後の経済対策で当時の麻生政権が1人当たり1万2000円から2万円の定額給付金を配った例がある。国民民主党は18日にまとめた緊急経済対策に全国民に10万円を支給する対策を盛り込んだ。

消費税減税、ポイント還元拡充

  消費喚起策を巡っては、昨年10月に10%に引き上げたばかりの消費税を減税するよう求める声も与野党から上がっている。国民民主党は消費税を時限的に5%へ減税するよう提唱。自民党の安藤裕衆院議員ら有志も消費税率を当面0%とする案を西村再生相に提出している。 

  麻生財務相は19日の会見で、「景気対策として税を考えることは常にある話で、そういったものを考えていかなければいけない」としながらも、「今の段階で、消費税をという話は私どもとして考えているわけではない」と語った。

  このほか、自民党内からは世耕弘成参院幹事長が消費を喚起するメッセージを出していくことが重要として、キャッシュレス決済へのポイント還元の拡充を検討するよう求めている。 

  政府は19日夕、安倍晋三首相、麻生財務相らが出席して経済対策策定に向けた有識者らへの集中ヒアリングを初開催。フリーランスや個人事業者、就職活動中の学生らから現在の状況を聞き取った。安倍首相は、雇用を守り、事業継続のための支援を行っていきたいとした上で、「実際のニーズがどこにあるのか、把握しながら政策を直ちに練り上げていきたい」と述べた。

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