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【債券週間展望】長期金利上昇か、市場の不安定化で売り圧力根強い

3月第4週(23-27日)の債券市場では、長期金利に上昇圧力が掛かりやすい展開が予想されている。新型コロナウイルスのまん延を背景に世界的に金融市場が不安定化する中、引き続き保有資産の現金化などに伴う債券売りが見込まれる。一方、急速な金利上昇局面では、日本銀行が定例や追加の国債買い入れオペなどで抑制姿勢を示すとみられる。

市場参加者の見方

◎バンクオブアメリカ・メリルリンチの大崎秀一チーフ金利ストラテジスト

  • リスク回避で市場の流動性が落ちており、資金ニーズが高い中で国債市場にも売りが波及
  • 年度末でボラティリティーの高い資産のリスクは取りにくい
  • 一方、日銀は国債の買い余力を残しており、買い入れの増額や予定外のオペは可能
  • 長期金利の予想レンジはゼロ%~0.11%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 投資家がリスク回避姿勢を強めていることから、国債にも換金売りが出やすい環境
  • 大幅な利回り低下はしばらく見込みづらいだろう
  • 半面、日銀は利回りの上昇に歯止めをかける姿勢で、国債買い入れオペが相場を支えるだろう
  • 長期金利の予想レンジは0.03%~0.12%

日銀オペ予定

対象年限前回定例オペの通知額
23日10ー25年1200億円
25年超300億円
27日
1-3年
4200億円
3-5年3400億円
5-10年
3500億円

国債入札予定

年限発行予定額前回の表面利率
24日

流動性供給

(残存1年超5年以下)

4000億円程度
26日40年4000億円程度0.5%

主な材料

  • 25日:日銀金融政策決定会合の主な意見(3月16日分)
  • 25日:3月の独IFO企業景況感指数
  • 26日:ECB経済報告
  • 26日:英中銀の政策金利発表
  • 27日:3月の東京都区部CPI
  • 27日:3月の米ミシガン大学消費者マインド指数
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