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市場まだ不安定、シカゴ株先物が急落-債券は反転上昇の見通し

更新日時
  • 新型ウイルスの感染拡大を背景にしたリスク回避の動き続く
  • 外国為替市場でドル・円相場は一時1ドル=111円25銭まで上昇

投資家の不安心理は続いている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で日経平均先物6月限は一時1万5060円に下落した。大阪取引所の日中終値(19日)1万6550円に比べ9%安い。日本時間23日は1万6600円で取引が始まったが、米株価指数先物が値幅制限いっぱいに下落すると売りが優勢になった。新型コロナウイルスの感染拡大を背景にしたリスク回避の動きは収まっていない。

〈きょうのポイント〉

  • 米景気対策で民主党と共和党の提案には相違とペロシ下院議長
  • トランプ氏、2兆ドル景気押し上げ対策の合意「近い」
  • 米セントルイス連銀のブラード総裁:米国内総生産(GDP)は4-6月期に50%縮小
  • 新型コロナ感染者30万人突破、生産休止や移動制限強まる
  • 東京五輪の延期含め計画協議へ、中止は検討しない-IOC緊急理事会

  東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは「きょうは米景気対策法案次第。もし難航すればコロナ感染拡大の悪影響から米景気の底が見えなくなる」と指摘。ニューヨーク州など「外出制限されている州はGDPの3割を占めており、ブラード総裁の言う4-6月期の50%縮小もあり得ない話ではない」と述べた。

  国内債券相場は反発が予想されている。前週末の米国市場で長期金利が大幅低下した流れを引き継ぎ、買いが先行する見通し。日本の長期金利は19日に1年4カ月ぶり高水準となる0.095%まで上昇した反動も見込まれている。東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストはきょうの長期金利の予想レンジを0.055~0.085%としている。

  外国為替市場でドル・円相場は一時1ドル=111円25銭まで上昇。新型コロナウイルス拡大による世界経済の後退懸念が強まる中、逃避的なドル確保の動きが継続している。

  りそなホールディングス市場企画部の梶田伸介チーフストラテジストは「ドル高のピッチが急だったことや中銀の対策、2月高値の112円前後に近づいていることなどから徐々に上値が重くなる」と予想。「米金利はまだ低下傾向に転じてはいないが、主要国中銀がドル資金供給で一段とギアを上げていけば為替相場も徐々に落ち着いてくるのではないか」と話した。

(債券見通しや最新の値動きなどを加えて更新します)
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