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きょうの国内市況(3月23日):株式、債券、為替市場

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●米景気対策に市場の関心-株は朝安後に持ち直す、円は買い優勢

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  新型ウイルスの流行が与える世界経済への懸念が根強い中で、米国の景気対策に関心が高まった。23日の東京株式市場で主要な株価指数は朝方に下げる場面もあったが、午後は上がった。不動産投資信託の値動きを反映した東証REIT指数は大幅に反発した。

  • TOPIXの終値は前営業日比8.79ポイント(0.7%)高の1292.01
  • 日経平均株価は同334円95銭(2%)高の1万6887円78銭
  • ドル・円相場は一時109円台後半、前週末比1%超える下落

  米景気対策が早期の合意に至らなかったことが失望され、午前の日本株は弱含む場面があった。取引開始後は米上院のマコネル共和党院内総務が法案の動議採決を23日に再び行う方針を示すなど協議が継続する中で売り圧力が和らいだ。午後には需給期待も後押しして指数の上げが鮮明となった。日銀は19日、通常のETF(上場投資信託)を過去最大の2004億円買い入れていた。

  アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之最高投資責任者は「米国は政策が出てこなければ新型ウイルスの影響で景気はかなり下押しされるだろう」と語る。日本株については「感染に加速感がない中で現金給付などの政策面が一定の下支え効果を果たしそう。日銀によるETF買いの需給インパクトが大きい中では、売り方はいったん利益を確定しやすい」と述べた。

  東京証券取引所に上場する不動産投資信託を対象にした東証REIT指数は前営業日比14%上昇。7営業日ぶりに反発した。

〈きょうのポイント〉

  • 米民主党、上院の景気対策法案を阻止-両院指導部は合意に至らず
  • 上院、景気対策法案の動議採決を米市場の取引中に実施へ-マコネル氏
  • 米財務長官:景気対策で合意に近づいている-CQロールコール
  • 米セントルイス連銀のブラード総裁:米国内総生産(GDP)は4-6月期に50%縮小も
  • 新型コロナ感染者30万人突破、生産休止や移動制限強まる
  • 東京五輪の延期含め計画協議へ、中止は検討しない-IOC緊急理事会

●債券反発、米金利大幅低下や換金売り圧力が一服ー日銀は臨時オペ継続

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  債券相場は反発。米国の長期金利が大幅に低下したことに加えて、主要国の中央銀行によるドル流動性供給などの対応を受けて換金売り圧力が一服し、買いが優勢になった。日本銀行は先週19日に引き続き、臨時の国債買い入れオペを実施した。

  • 長期国債先物6月物の終値は前営業日終値比41銭高の151円12銭。一時151円86銭まで上昇、その後は151円10銭まで上げ幅を縮小する場面も
  • 新発10年債利回りは3ベーシスポイント(bp)低い0.06%、一時0.05%まで低下

市場関係者の見方

野村証券の中島武信シニア金利ストラテジスト

  • 国債を現金化する動きが一服した感じ。株も国債も堅調で、米連邦準備制度理事会(FRB)や日本銀行などによるドル資金供給拡充などの効果が出てきた
  • FRBは換金売りしていた運用会社も支援できるようになり、ドルの枯渇が解消されていくにつれて、国債の売り圧力も減っていく
  • 一方、下落トレンドにある先物相場には機械的な売りが出やすいく、ここの売りをどうやって止めるかという問題は残っている

日銀オペ

  • 予定外の買い入れ実施、残存3年超5年以下で3000億円、5年超10年以下で5000億円
  • 予定分の10年超25年以下は1200億円、25年超は300億円と、それぞれ金額据え置き

●ドル・円は反落、市場動揺によるドル資金需要が一服-109円後半

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  東京外国為替市場のドル・円相場は反落して始まり、午後に下げ幅を拡大。主要国の中央銀行による相次ぐ対策を受けて、金融市場の動揺を背景とした基軸通貨ドルの確保を急ぐ動きが一服、ドル売り・円買いが優勢になった。

  • ドル・円は午後3時50分現在、前日比0.9%安の109円96銭。前週末の海外時間には一時111円51銭と2月24日以来の高値
  • ユーロ・ドルは0.4%高の1ユーロ=1.0726ドル。対円では0.4%安の1ユーロ=118円08銭
  • ブルームバーグ・ドルスポット指数は0.3%下落。一時1297.20と過去最高値

市場関係者の見方

あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部

  • 新型コロナウイルスの感染拡大と実体経済の悪化懸念から強烈に進んできたドル高が日銀のオペや米金利上昇の一服で巻き戻されている。ドル資金需要が緩むと、リスクオフは対ドルでも円高という従来の関係に戻っていくだろう
  • ドル資金需給のひっ迫に対する中央銀行の資金供給はヘッジファンドやハイイールド債関係の換金売りでリスクオフが加速する悪循環とドル高の勢いを和らげる効果がある
  • ただ、リーマンショック当時を超える実体経済の悪化が懸念される中、日銀が下支え役となる日本株とは異なり、米国株はまだ厳しく、ドル資金需要やリスク回避の動きがすぐに解消されるわけではない
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