GPIF次期理事長に宮園雅敬氏を起用、農林中金出身-厚労省
野沢茂樹、小田翔子
更新日時
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昨年4月から企業年金連合会理事長、巨額資産運用に携わった実績
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GPIFは2020年度から適用の新たな基本ポートフォリオを策定中
厚生労働省は24日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の次期理事長に農林中央金庫出身で、企業年金連合会の宮園雅敬理事長(66)を起用する人事を発表した。4月1日付で就任する。
宮園氏は1976年に東京大学を卒業後、農林中金に入庫。専務理事や副理事長を歴任し、長年にわたり巨額の資産運用に携わってきた実績を持つ。昨年4月からは企業年金連合会の理事長を務めている。今月末で任期満了となる高橋則広・現理事長に続き、世界最大の年金基金のかじ取りを2代続けて農林中金出身者が担うことになる。
水野弘道理事が務めている最高投資責任者(CIO)は次期理事長が新たに任命し、厚労相の承認を得て就任する。
GPIFは2020年度から適用する新たな基本ポートフォリオを策定中で、今月中に公表する見通しだ。
バンクオブアメリカ・メリルリンチの大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「農林中金の出身ということで運用の経験と見識に期待した人事ではないか」と指摘。GPIFは国際分散投資を進める現行路線を次期理事長の下でも続けるとみている。
SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは、現在の運用環境は新型コロナウイルスの感染拡大を背景としたリスク回避で幅広い資産が売られて分散投資の効果が出にくくなっていると指摘。日本を代表する機関投資家であるGPIFを「組織的に束ねて乗り切っていくことを期待したい」と話した。
(市場関係者のコメントを追加し、更新します)
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