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歴史的な低利回りを再び試す展開か、ボラティリティー急低下でも

  • 米10年債利回り、日中ベースの過去最低0.31%を再び試す公算
  • 限りない買い意欲持つ世界最大の買い手を妨げるな-クシュマ氏

米国債市場は波乱から持ち直したかもしれないが、利回りを先月過去最低に押し下げた恐怖心からの取引が終わったというのはかなり時期尚早だ。

  金融市場を落ち着かせるための中央銀行による緊急行動で、 金利のボラティリティー(変動性)は2009年以来最も急速に低下した。しかし、それが国債相場上昇の終わりを意味すると投資家は予想していない。

  米国では新型コロナウイルス感染のピークは数週間先となる可能性があり、堅調だった労働市場に大打撃を与えている。過去2週間の失業保険申請件数は1000万件を超え、今週もさらに500万件の申請が予測されている。

  米10年債利回りは3日に0.59%と、1週間の終わりとしては過去最低を付けた。バンク・オブ・アメリカ(BofA)やBMOキャピタル・マーケッツのストラテジストらは、3月9日に付けた日中ベースで過去最低の0.31%を再び試す公算が大きいと予想する。金利を下方向に傾ける要因はそろっている。休業による経済的打撃は表面化し始めたばかりで、株価はまだ大幅下落し、連邦準備制度は景気刺激策の一環で多額の米国債を毎週買い入れている。

Benchmark yield could be headed back to last month's historic low

  モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのグローバル債券担当最高投資責任者、マイケル・クシュマ氏は「私はまだ、この市場が非常に過大評価されているとは言えない。世界最大の買い手が限りない買い意欲を持っているからだ」と指摘。「それを妨げるなというのがわれわれの見解だ」と述べた。

原題:
Historic Low Yields Back in Sight After Volatility Vanquished(抜粋)

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