米失業率は恐慌時の水準にまで悪化する可能性-イエレン前FRB議長
Catarina Saraiva-
「V字回復」を望むが、もっと悪い結果となることを懸念
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パンデミック以前の米経済の力強さ、先行きの回復後押しへ
イエレン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は6日、米国の経済データが大恐慌以降は見たことのない水準に落ち込む恐れがあるとする一方、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以前の米経済の力強さを踏まえれば、先行きの回復に向けて良好な態勢にあるとの認識を示した。
イエレン氏はCNBCとのインタビューで、米新規失業保険申請件数が3月28日までの2週間で計1000万件近くに達したことについて、「極めて衝撃的」な数字であり、失業率が恐らく12-13%程度の水準にあって、もっと悪化することを示唆していると指摘。4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)は年率ベースで少なくとも30%の落ち込みとなる恐れがあると語った。
「失業率は一時的に恐慌時の水準に達するかもしれないが、この状況は大恐慌や2009年とその後に経験したリセッション(景気後退)とは大いに異なる」とイエレン氏は指摘。その上で、急速な回復のための鍵となるのは、経済活動の停止中も確実に人々の所得を引き続きサポートし、雇用を維持することだと話した。
イエレン氏はまた、多くの人々が想定するように、経済活動が6月に再開され始め、夏までにもっと通常の状態に戻れることができれば「V字回復」は可能と考えられ、それが「最良のシナリオ」だとしつつも、「もっと悪い結果となることを懸念している」と述べた。
原題:Yellen Hopes for ‘V’-Shaped Recovery But Braces for Worse Impact(抜粋)