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4月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎米国市況:株反落、S&P500種は月間で1987年以来最大の上げ

  30日の米国株は反落。新型コロナウイルス感染拡大を受けた軟調な経済指標や一部の企業決算が嫌気された。ただS&P500種株価指数は今月13%上昇し、月間の上昇率としては1987年以来最大となった。 

  • 米国株は反落、軟調な経済指標などを嫌気
  • 米国債は下落、10年債利回り0.64%
  • ユーロが対ドルで上昇、2週ぶり高値
  • NY原油は大幅続伸、減産と需要回復の兆候で
  • NY金先物は5日続落、ECBの動きや英首相発言に反応

  S&P500種株価指数は7週ぶり高値から下落。朝方発表された米新規失業保険申請件数は、市場予想を上回った。一方、マイクロソフトやフェイスブック、テスラの好調な決算を受けてナスダック指数の下げは限定的となった。 

  S&P500種は0.9%安の2912.43。ダウ工業株30種平均は288.14ドル(1.2%)安の24345.72ドル。ナスダック総合指数は0.3%下落。米国債市場では、10年債利回りが1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し0.64%

  投資家は引き続き厳しい経済見通しに懸念を抱きつつ、新型コロナの治療法やロックダウン措置解除への期待も強めている。コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークの投資管理責任者、ブライアン・プライス氏は「大手テクノロジー企業の決算が好調だったことは明るい材料だが、まだ困難は残っている」と指摘。「当面は行きつ戻りつの展開になるだろう」と述べた。

  ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで上昇し、2週ぶり高値。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、必要に応じて資産購入プログラムを拡大または延長する用意が「十分にある」と述べたが、この日は月末要因によるドル売りの動きが強かった。

  ユーロは0.8%高の1ユーロ=1.0955ドル。ドルは対円では0.5%上げて1ドル=107円18銭。主要通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は約0.1%低下。

  ニューヨーク原油先物相場は大幅続伸。世界的に生産量の削減が進む一方、需要が回復し始めている兆候が背景にある。メジャー(国際石油資本)のロイヤル・ダッチ・シェルは石油・ガス生産が大幅に減少する見通しを明らかにした。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は3.78ドル(25%)高の1バレル=18.84ドルで終了。値動きが荒く、一時は29%高となる場面もあった。ロンドンICEの北海ブレント6月限は2.73ドル高の25.27ドル。

  ニューヨーク金先物相場は5営業日続落。ECBは危機対応策の強化を発表したが、「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」の規模は拡大せず、一部トレーダーの失望を誘った。英国は新型コロナのピークを越えたとのジョンソン首相の発言も、金の逃避需要を後退させた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は1.1%安の1オンス=1694.20ドルで終了。ただ月間ベースでは昨年8月以来の大幅上昇を記録した。

原題:U.S. Stocks Drop, But Post Best Month Since 1987: Markets Wrap(抜粋)

Euro Hits 2-Week High as Dollar Wanes at Month-End: Inside G-10(抜粋)

Oil Surges in Choppy Trading on Deepening Production Cuts(抜粋)

Gold Drops With ECB Moves Amid Signs Pandemic May Be Easing(抜粋)

◎欧州市況:株下落、月間では15年以来の大幅高-ドイツ債上昇

  30日の欧州株は下落。欧州中央銀行(ECB)の決定内容に失望し、銀行株を中心に売りがかさんだ。月間ベースでは2015年以来の大幅高となった。

  ストックス欧州600指数は2%安。銀行や鉱業といった景気敏感株が特に売られた。英・オランダ系ロイヤル・ダッチ・シェルが第2次世界大戦以降で初の減配を発表したことを嫌気し、エネルギー株も安い。

  ECBは「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」の規模を維持した一方、市中銀行向け融資プログラムの金利を引き下げ、債券購入計画の強化を見送った。

  欧州株は月間ベースでは6.2%高。各国政府の刺激策や新型コロナウイルス感染者の増加ペースが鈍化し、ロックダウンの解除につながるとの楽観から株価は上昇した。

  プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフストラテジスト、シーマ・シャー氏は「ECBが債券購入の規模を拡大しなかったことに市場参加者は失望した。非常に長い声明を出したが2件の小規模な調整を発表したにすぎず、いずれも銀行向けの割安なローンに関するものだった」と述べた。

  欧州債市場ではドイツ債がブルフラット化。ラガルド総裁がECBはPEPPの規模を拡大する用意があると述べたことに反応した。月末の大規模なポジション調整も影響した。

  イタリア債は値動きの大きな一日となった。イールドカーブはスティープ化。ECBの流動性措置を手掛かりに短期債が上昇し、長期債はラガルド総裁が「アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)」について前向きな見方を示さなかったことに反応し、下落した。

  イタリア債とドイツ債のイールドスプレッドは10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大して235bp。イタリア2年債利回りは9bp下げて0.60%。一時は0.51%まで下げた。

  英国債は中期債を中心に上昇。この日は国債入札がなく、英中銀の買いオペが支援材料となった。

  ドイツ10年債利回りは9bp下げてマイナス0.58%。フランス10年債利回りは7bp下げてマイナス0.11%。イタリア10年債利回りは1bp下げて1.75%。  

原題:European Stocks Trim Best Month Since 2015 as Banks Fall on ECB(抜粋)

Bunds Lead Euro-Area Gains on Lagarde Comment, Month-End Flows(抜粋)

(米国市況を更新します)
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