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ディズニー、新型コロナの利益への影響14億ドル-パーク休業で痛手

  • テーマパーク部門の営業利益は大幅減少、映画部門は8%減益
  • 上海リゾートは5月11日営業再開、CEOは中国の回復の兆しに言及

エンターテインメント大手の米ウォルト・ディズニーは5日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で1-3月(第2四半期)に失われた利益は最大14億ドル(約1490億円)に上ったと発表した。そのうち10億ドルはテーマパーク休業による影響だと説明し、同社のほぼ全ての事業分野で打撃を被ったことを明らかにした。

  1-3月期1株利益は一部項目を除いたベースで5割以上減少し60セントと、アナリスト予想平均の86セントを下回った。売上高は180億ドルで、21%増加したが、昨年買収した21世紀フォックスのエンターテインメント資産が要因だった。

新型コロナウイルス感染拡大でォルト・ディズニーの利益急減

出典:ブルームバーグ)

  ディズニーは7月の配当金支払いを見送り、設備投資を9億ドル削減することも明らかにした。一方で上海のリゾート施設を5月11日に営業再開する見通しを示した。ボブ・チャペク最高経営責任者(CEO)は「中国では、正常に近い状態に徐々に戻りつつある明るい兆しが見えている」と電話会見で述べた。

  新型コロナ感染拡大で消費者がリゾートや劇場に足を運ぶことができない中にあって、同社のテーマパークや映画の分野での優位性が今年は生かされていない。広告の不振やライブスポーツの中止もABCやESPNなどの放送事業を手掛ける同社に打撃を与えた。ただ、昨年11月に開始した動画配信サービスの「ディズニー・プラス」は好調で、会員数は5400万人余りに達し、当初の想定を上回るペースで伸びた。

No Fun

Disney’s famously profitable theme parks are suffering from virus fallout

Source: Disney

  1-3月期に最も不振だったのはテーマパーク部門で、営業利益は6億3900万ドルと、前年同期の15億1000万ドルから大幅減。新型コロナ感染拡大を受けて世界各地の同社のテーマパークは休園が続いており、上海ディズニーランドは営業再開の重要な試金石となる。

  ディズニーの株価は5日の時間外取引で一時2.8%下落した。

  3月半ば以降、劇場公開ができない状態にある映画部門の利益は8%減少した。

原題:
Disney Hit With $1.4 Billion in Costs From Coronavirus Shutdowns(抜粋)

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