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5月7日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎米国市況:株が上昇、マイナス金利観測で利回りとドルは下げ

  7日の米株式相場は上昇。最新の米企業決算と弱い雇用関連指標を消化する展開だった。米国債利回りは急低下。米金融当局による来年のマイナス金利導入の可能性が金利先物に織り込まれ始め、2年債と5年債の利回りが過去最低となった。

  • 米国株は上昇、ナスダックは年初来騰落率プラスに
  • 米国債は大幅上昇、2年債と5年債の利回り過去最低に
  • ドル下落、金融当局者のハト派発言受け国債利回り低下
  • NY原油は続落、過剰供給懸念が根強く-サウジが値上げ
  • NY金先物は反発、失業保険申請の急増で逃避需要

  S&P500種株価指数は反発。米国内で活動制限を緩和する地域が増え、経済的なダメージの最悪期が過ぎたとの観測が強まった。米新規失業保険申請件数は317万件と高水準にとどまったが、前週からは減少した。米中の貿易協議責任者が第1段階の合意履行の進展を巡って来週にも電話会談する見通しも、投資家心理を後押しした。ナスダック総合指数は年初来の騰落率がプラスに転じた。

  S&P500種株価指数が前日比1.2%高の2881.19。ダウ工業株30種平均は211.25ドル(0.9%)高の23875.89ドル。ナスダック総合は1.4%上昇。

  チャールズ・シュワブのトレーディング・デリバティブ担当バイスプレジデント、ランディ・フレデリック氏は、半年後には状況が改善しているかと問われた場合、「大半の人はイエスと答えるはずで、市場は将来に目を向けている。市場は現在、将来は状況が改善していると考えている」と語った。

  一方、米国債市場の経済見通しは株式市場とは異なる。ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し0.64%。4月15日以来の大幅な下げとなった。2年債利回りは過去最低となった。ただこれは銀行株にはあまり響かず、S&P500種金融株指数は2%余り上昇した。 

  為替市場ではドルが下落。金融当局者のハト派的な発言を手掛かりに米国でマイナス金利政策が採用されるとの観測が広がり、米2年債利回りが過去最低を付けた。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%低下と、5営業日ぶりの下げ。ドルは対円では値上がりし、0.1%高の1ドル=106円27銭。

  ニューヨーク原油先物相場は続落。供給過剰への懸念が根強く、荒い値動きとなる中で下げに転じた。国営石油会社のサウジアラムコが油種の大半において6月船積み価格を引き上げたため、急伸する場面もあった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は44セント(1.8%)安い1バレル=23.55ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント7月限は26セント安の29.46ドル。

  ニューヨーク金先物相場は反発。米失業保険申請件数が7週連続で300万件を超え、8日発表の雇用統計が悪い内容になるとの思惑が強まり、金への逃避需要が強まった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は37.30ドル(2.2%)高の1オンス=1725.80ドルで終えた。

原題:Stocks Advance Amid Earnings; Treasuries Gain: Markets Wrap(抜粋)

Treasuries Rally as Futures Price In Negative Policy Rate(抜粋)

USD Falls Amid Dovish Comments From Central Bankers: Inside G-10(抜粋)

Oil Slips With Glut Concerns Reversing Saudi Price Hike Boost(抜粋)

PRECIOUS: Gold Jumps on Jobless Claims and Monetary-Easing Hopes(抜粋)

◎欧州市況:株が1週間ぶり高値、イタリアなどユーロ圏債上昇

  7日の欧州株は上昇し、1週間ぶりの高値をつけた。イングランド銀行(英中央銀行)が必要に応じて金融緩和を拡大する用意があることを示したほか、中国の予想外の輸出増が材料視された。

  ストックス欧州600指数は1.1%高。終値ベースで4月30日以来の高値となった。小売株やエネルギー株が上昇。業種別では自動車とヘルスケアのみ下落した。

  ストックス600は3月半ばの安値から反発を続けているが、50日移動平均を突破できずにいる。市場では強弱の材料が混在し、ロックダウン措置の緩和を巡り投資家の間で楽観が広がる一方、企業決算や経済統計の内容は低調だ。米中貿易戦争に対する懸念も再燃した。

  欧州債はイタリア債、ドイツ債を中心にユーロ圏国債が上昇。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が責務を遂行するために必要な手段を講じていくと表明したことが好感された。フランスとスペインは国債入札を実施した。

  イタリア債とドイツ債のイールドスプレッドは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小して246bp。

  ドイツ債は10年債を中心に買われ、その他の中核国や準中核国債もおおむね上昇した。英国債は下げ幅を縮小。英中銀が金利と債券購入枠を据え置くと発表した後、一時大きく下げていた。

  ドイツ10年債利回りは5bp下げてマイナス0.55%。フランス10年債利回りは4bp低下してマイナス0.04%。イタリア10年債利回りは8bp下げて1.89%。

原題:Italy Bonds, Bunds Lead Euro-Area Debt Gains: End-of-Day Curves(抜粋)

European Stocks Jump on U.K. Stimulus Bet, Chinese Data Optimism(抜粋)

(米国市況を更新します)
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