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【債券週間展望】長期金利に上昇圧力、国債増発観測と10年入札重し

5月第2週(11日-15日)の債券市場では、長期金利にやや上昇圧力が掛かると予想されている。追加経済対策に伴う国債増発観測に加えて、10年国債入札を控えた調整売りが出やすいとみられている。

市場参加者の見方

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 景気対策に伴う国債増発への警戒感が相場の上値を抑える状況に変化はない
  • すでに中短期国債を中心とした国債増発が決定されているが、さらに経済対策が追加されれば、長期・超長期国債の増発が警戒される
  • 日銀の買い入れオペが続く安心感もあるが、投資家は上値追いに慎重。10年と30年の入札が相場の上値を抑える
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.05%~プラス0.03%

◎SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジスト

  • 10年入札がマイナス金利では需要に乏しく、プラス圏に調整したいところだろう
  • 日銀の金融調節も金利を押し下げるというより、ボラティリティーを抑える姿勢のようだ
  • ただ、10年債は前回入札レベルの0.02%台では買いが入りそう。30年入札も0.5%に近い水準なら一定量の需要が見込まれる
  • 発行が増えている短期国債は、日銀の買い入れ額が注目。期待外れなら短いゾーンを中心に金利上昇圧力も
  • 長期金利の予想レンジはマイナス0.02%~プラス0.02%

日銀オペ予定

対象年限直近の通知額
11日1-3年3400億円
3-5年3000億円
25年超300億円
13日1-3年3400億円
3-5年3000億円
10-25年1200億円
15日5-10年3700億円

国債入札予定

年限発行予定額前回の表面利率
12日10年2.1兆円程度0.1%
14日30年7000億円程度0.4%

主な材料

  • 11日:日銀金融政策決定会合における主な意見(4月27日開催分)
  • 12日:4月の中国CPI
  • 12日:4月の米CPI
  • 15日:4月の中国の小売売上高と工業生産
  • 15日:4月の米国の小売売上高と鉱工業生産
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