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きょうの国内市況(5月11日):株式、債券、為替市場

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●日本株続伸、政府の経済対策や緊急事態宣言解除を期待-景気敏感高い

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  東京株式相場は続伸。政府・与党が第2次補正予算案の今国会中の成立を目指すことや、一部の都道府県で緊急事態宣言の解除が近いとの見方から景気回復期待が高まった。半導体や自動車などの輸出や鉄鋼など素材といった景気敏感株を中心に幅広い業種が上昇した。

  • TOPIX終値は前週末比22.34ポイント(1.5%)高の1480.62
    • 一時は年初来安値(終値ベース)からの上昇率が20%を超える場面
  • 日経平均株価は211円57銭(1.0%)高の2万0390円66銭

 しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、国内で新型コロナウイルスの新規感染者数が減少しつつあり、経済活動再開の先行きが見えてきたことで相場は「期待先行で動いている」と指摘した。東洋証券の大塚竜太ストラテジストも、決算発表のピークを控えて業績の悪化の程度を確認する前だからこそ「4-6月期が景気の底でありその先は回復するとのストーリーが描けており、見切り発車的な買いが入っている」と分析している。

  東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、政府が追加の経済対策として国会会期中の成立を目指すとみられている第2次補正予算は、「2兆円という金額の大きさや政府が想定よりも早く対処していることが好感される」と話していた。

  • 東証33業種では空運、海運、鉄鋼、非鉄金属、陸運、輸送用機器が上昇
  • 証券・商品先物取引、医薬品、精密機器は下落

●債券は下落、10年入札前や財政懸念で売り-長期金利はプラス圏に浮上

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  債券相場は下落。前週末の米国市場で長期金利が上昇した流れを引き継いで売りが先行し、10年債入札を翌日に控えて持ち高調整の売りが優勢となった。政府の追加経済対策による財政悪化懸念から外国人投資家が売りを出していたとの声も聞かれた。

  • 長期国債先物6月物の終値は前週末比17銭安の152円20銭。一時152円18銭まで下落
  • 新発10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)高い0.005%と、4月23日以来のプラス圏
  • 新発5年債利回りはマイナス0.115%、30年債利回りは0.475%といずれも2bp上昇

市場関係者の見方

パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

  • 取引は静かながら、売る人は結構活発に売っている
  • 外国人投資家は財政悪化懸念で売っている。ただ、日本は対外債権国で国内に資金が余っており、売り仕掛けはことごとく失敗に終わっている
  • 明日の10年債入札に向けて業者の調整売りも出ている
  • 10年債入札はプラス金利なら買う人が出てくるだろう

日銀買いオペ

  • 買い入れ額は残存期間1年超3年以下が3400億円、25年超が300億円に据え置かれた一方で、3年超5年以下は3500億円と前回3000億円から増額

●ドル・円上昇、経済活動再開への期待が支えに-107円台前半

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  東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。欧米における経済活動の再開への期待や中国人民銀行による政策対応などが相場のリスクセンチメントを支え、円売り材料となった。

ハイライト
  • ドル・円は午後3時37分現在、前週末比0.4%高の1ドル=107円11銭。ここまでの取引では106円40銭を安値に一時約1週間ぶりの107円14銭まで上昇
  • ユーロ・円は前週末比0.5%高の1ユーロ=116円15銭、オーストラリアドル・円は0.7%高の1豪ドル=70円14銭

市場関係者の見方

NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)

  • ロックダウンの解除、経済活動再開への期待という雰囲気だけでリスクセンチメントが改善。それに伴い、クロス円主導で円売りになっており、ドル・円も支えられている
  • 中国人民銀がより強力な措置を表明したことも、アジアのリスク資産や通貨に好材料で、リスクセンチメントを後押ししている面も
  • コロナウイルスの再拡大リスクと両にらみの面はあり、リスク資産の積み上げも慎重なものにならざるを得ない。ドル・円は107円30銭程度までの上値余地にとどまるとみている
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