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5月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎米国市況:株まちまち、経済活動再開への動き見極め-原油反落 (1)

  11日の米株式市場では主要3指数がまちまち。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が続く中、世界各地で移動制限措置の緩和に向けた動きが広がっている状況を見極める展開となった。

  • 米国株はS&Pが小幅高、ダウは反落
  • 米国債は下落、10年債利回り0.71%
  • ドル指数は上昇、米金融当局者がマイナス金利導入に否定的
  • NY原油は反落、サウジ追加減産の実行力に疑問符
  • NY金は続落、ドルの上昇を嫌気

  S&P500種株価指数はわずかに上昇。ダウ工業株30種平均は反落。ナスダック100指数は6営業日続伸と、今年に入って最長の連続上昇となった。

  S&P500種は前週末比0.52ポイント高の2930.32。ダウは109.33ドル(0.5%)安の24221.99ドル。ナスダック総合指数は0.8%上昇した。米国債は下落。ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りが3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、0.71%。

  ニューヨーク州のクオモ知事は、州内の建設やドライブインシアターなどのビジネスや一部の娯楽活動を地域の実情に応じて今週再開させる方針を表明した。S&P500種はこれを受けて上値を伸ばす場面もあった。ただ、ニューヨーク市のデブラシオ市長は、同市のロックダウン(都市封鎖)は6月に入っても続く公算が大きいと述べた。

  キングスビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルテ氏は「一部の州による制限緩和に投資家は勇気づけられており、株式は引き続き上昇する可能性がある」と指摘。「向こう数週間の株式相場の動きが、この夏のパフォーマンスの強弱を決定づける公算が大きい」と述べた。

  為替市場では比較的値動きが小さい中、ドルが他の主要通貨に対して上昇。新型コロナ感染拡大の経済への影響に対処するためにマイナス金利を導入するとの考えに、複数の米金融当局者が否定的な見解を示した。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.5%上昇と、4月中旬以来の大幅高。ドルは円に対して1%高の1ドル=107円66銭。対ユーロでは0.3%上げ、1ユーロ=1.0807ドル。

  ニューヨーク原油先物相場は反落。サウジアラビアが自発的に追加減産を表明したことから買いが先行したものの、その実現を巡り懐疑的な見方が強く、下げに転じた。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物6月限は60セント(2.4%)安の1バレル=24.14ドル。ロンドンICEの北海ブレント7月限は1.34ドル下げて29.63ドル。

  ニューヨーク金先物相場は続落。ドルの上昇を嫌気して売りが続いた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は15.90ドル(0.9%)安の1オンス=1698.00ドル。

原題:U.S. Stocks Mixed, Treasuries Drop Amid Reopenings: Markets Wrap(抜粋)

Dollar Gains as Fed Discounts Negative-Rate Idea: Inside G-10(抜粋)

Oil Dips With Doubts Surfacing Over Saudi Output Cuts (Correct)(抜粋)

Gold, Copper Slip Amid Dollar Rally, Fear of Second Virus Wave(抜粋)

◎欧州市況:株下落、投資家は感染第2波のリスク警戒-ドイツ債下落

  11日の欧州株は下落。欧州諸国が経済の再始動に向けてロックダウンを緩和しているが、投資家は新型コロナウイルス感染拡大の第2波が起きるリスクを警戒した。

  ストックス欧州600指数は0.4%安。業種別では基礎素材株が売られた。英国株は小幅高。内需関連の中型株を中心としたFTSE250指数は0.1%上昇した。ジョンソン英首相は新型コロナによるロックダウン措置緩和に向け「最初の慎重な措置」を発表した。

  新型コロナのパンデミック(世界的大流行)は依然として主要な懸念事項ではあるが、フランスやイタリア、英国はいずれも死者数が3月以来の低水準まで下がり、各国政府は段階的な経済再開についてさらなる詳細を示している。

  UBSグローバル・ウェルスマネジメントの最高投資責任者(CIO)、マーク・ヘーフェル氏は、「ニュースは総じて前向きだが、最悪期を脱したと言うには時期尚早だ」と述べ、「一方で経済の再開に伴い、投資家は第2波という重大な脅威を回避できるのかを懸念するだろう」と指摘した。

  欧州債はイタリア債がほぼ変わらず。ムーディーズは8日に格付けの見直し発表を予定していたが、これを見送った。投資家の注目は国債入札に集まっている。ドイツ債は小幅安。ドイツとオランダでは12日に国債入札が実施される。

  イタリア債とドイツ債のイールドスプレッドは238ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)で変わらず。一時は230bpに縮小した。

  ドイツ債の利回り曲線はフラット化。ドイツは新発7年債、オランダは10年債の入札を実施する。

  ドイツ10年債利回りは1bp上昇してマイナス0.53%、フランス10年債利回りは1bp上昇してマイナス0.02%。イタリア10年債は1bp上昇して1.86%。

原題:European Stocks Slip Amid Worries of New Wave of Infections(抜粋)

Italian Bonds Erase Gain, Bunds Slip; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

(米国市況を更新します)
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