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ECB、パンデミック緊急購入さらに制限緩和か-キャピタルキー争点

更新日時
  • 仏中銀総裁、キャピタルキーに基づく購入制限は「不要な制約」
  • ECBは来週政策会合、多数決で押し切られる可能性も-ABN

欧州中央銀行(ECB)は新型コロナウイルス対策で導入した「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」の制限を緩和することについて、白熱した議論をかわすことになりそうだ。

  政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁は、各国の経済規模に応じて定められたECBへの出資比率(キャピタルキー)に基づいて債券購入額を決める制限について、PEPPにおいては「不必要な制約だ」と発言した。

  ECBは来週6月4日に開く政策委員会で、7500億ユーロ(約88兆5000億円)としているPEPPの規模拡大を決める見通しが強まっている。

  キャピタルキーの制約緩和は財政ファイナンスを禁じる欧州連合(EU)法に抵触することを懸念する当局者らの反対を呼びそうだ。一方で、プログラムの柔軟性を高めれば、規模を拡大せずに必要な国に資金を振り向けることが可能になる。

  ダンスケ銀行のチーフストラテジスト、ピート・クリスティアンセン氏はビルロワドガロー氏の発言について「非常に驚くべきコメントだと思う。キャピタルキーの制約撤廃は大きな動きだ。想像すらしなかった動きと言っていい」と語った。

  ECBは3月にPEPPを導入した際、国債購入上限を発行残高の3分の1とする発行体制限を撤廃している。制限をさらに緩和することは政策委員会内の対立を再燃させる可能性がある。

  ABNアムロのエコノミスト、ニック・コーニス氏は「キャピタルキーに関するPEPPの文言を変更する提案があれば、タカ派のメンバーはその部分を支持しないと思う」と述べた。「しかしながら、多数決によって押し切られる可能性も十分にある」と付け加えた。

Debt Load

Euro-area debt is predicted to increase to 102.5% of economic output

Source: European Commission

原題:
ECB Facing Testy Stimulus Debate After Call for Removing Limits(抜粋)

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