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メルケル首相、夏期休暇前のEU基金合意呼び掛け-危機対応で連帯を

  • EUは世界情勢の中でより大きな役割を担う必要がある
  • 「欧州の連帯と団結はいまだかつてないほど重要だ」

ドイツのメルケル首相は、欧州連合(EU)を第2次世界大戦後最悪のリセッション(景気後退)から脱却させるため、対応策での夏期休暇前の合意を呼び掛けた。新型コロナウイルス危機との闘いで連帯を示すよう域内首脳らに求めた。

  メルケル首相は18日連邦議会(下院)で、EUは世界情勢の中でより大きな役割を担う必要があると述べ、新型コロナへの対応は地政学上のEUの立場を形作る上で重要だと指摘した。首相は欧州統合を具体化し、推進していく上で中心的な役割を果たすと表明した。

  「欧州の連帯と団結はいまだかつてないほど重要だ」と述べ、「この危機を単独で、孤立して乗り切れる国などない。われわれ共通の目標は、持続的かつ未来への展望を持ちながら、この危機を共に乗り越えることでなければならない」と論じた。

  EU首脳らは経済再建策として提案されている7500億ユーロ(約90兆3000億円)規模の基金を巡り、論争を繰り広げている。

  メルケル首相は19日に行われるEU首脳ビデオ会議に出席し、EU基金について協議する。基金の成立にはEU加盟国全ての支持が必要だ。オーストリアやオランダなど豊かな国は、新型コロナの打撃を大きく受けたイタリアやスペインへの寛大な支援に抵抗を示していることから、交渉は難航が予想される。

原題:Merkel Calls for Agreement on EU Fund Before Summer Break (1)(抜粋)

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