コンテンツにスキップする
Subscriber Only

英中銀総裁:利上げ前にバランスシート縮小を検討する必要-寄稿

  • 高水準のバランスシートは将来の危機で政策発動余地を制限する恐れ
  • MMFの役割と混乱のさなかに金融市場に及ぼすリスクの検証が必要

イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は、利上げに動く前に中銀のバランスシート縮小する方が望ましいと述べ、緊急の金融刺激の出口戦略の大幅な転換を示唆した。

  ベイリー総裁はブルームバーグ・オピニオンへの寄稿で、そうした戦略が将来の危機で中銀当局者の火力を強めるとの見解を示した。英中銀のバランスシートは、新型コロナウイルス感染拡大に対応する緊急緩和策に伴い、約7000億ポンド(約92兆6000億円)相当に膨らみ、債券購入プログラムによりさらに大きく拡大する見通しだ。

  同総裁は「積み上がったバランスシートは、将来の緊急事態の下で政策発動の余地を制限する恐れがある。金融刺激をやめる時期が来れば、持続したベースで金利を引き上げるのを待つことなく、バランスシートの水準調整を検討する方がよいのではないかと私は思う」と主張した。

  ベイリー氏は「金融システムのあらゆる側面への中銀の支援に依存し続けるのではなく、金融システムの脆弱(ぜいじゃく)性を率直に評価する必要がある。マネーマーケット・ファンド(MMF)の役割と、混乱のさなかに金融市場に及ぼすリスクは、検証すべき領域の一つだ」と指摘。「(英中銀の)行動能力を強化する必要があり、誤って疑われることがあってはならない」との認識を明らかにした。

QE and U.K. Debt Issuance Have Surged

relates to 英中銀総裁:利上げ前にバランスシート縮小を検討する必要-寄稿

Scale of the Challenge

The Covid-19 lockdown has sent the U.K. economy into a deep recession

Source: Office for National Statistics

原題:BOE’s Bailey Says He’d Shrink Balance Sheet Before Raising Rates(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE