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ドル・円は小幅高、月末フローと景気回復期待の株高で-107円台後半

更新日時

東京外国為替市場のドル・円相場は小幅に上昇。月末・四半期末の資金需給がややドル買い優勢に傾いたほか、米国や中国の景気回復期待を背景とした株高がリスクオンの円売りにつながった。

ハイライト
  • ドル・円は午後3時48分現在、前日比0.1%高の1ドル=107円69銭。ここまでのレンジは107円54銭から107円79銭。前日の海外時間には一時107円88銭と3週間ぶり高値
  • 円は大半の主要通貨に対して下落
ドル・円は株高でやや買いが優勢

市場関係者の見方

マネーパートナーズの武市佳史チーフアナリスト

  • 月末と四半期末のポジション調整が中心で、何かトレンドが出たのではないようだ。それに加え、株高が円売り材料に
  • ただ、米国での新型コロナウイルス感染増などもあり、リスクオンがさらに進むとは考えにくい
  • きょうの海外時間には108円ワンタッチがせいぜいではないか。あす発表される日銀短観の想定為替レートが切り上がればドル・円の買い材料となるとみて注目している
  • 足元の流動性が乏しい上、2日の米雇用統計は前倒し発表で翌日は祝日とあって、市場は十分に織り込めていないのではないか。新たなポジション構築の動きは来週になる可能性が高い

あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長

  • 米住宅指標が良かったのを受けて株価が戻していることがリスクオンの円売りにつながっている。中国の製造業購買担当者指数(PMI)も小幅ながら予想を上回る回復を示し、特にオーストラリアドルなどの買い材料に
  • ただ、大きなトレンドが出ているというより、きょういっぱいは月末のポジション調整というテクニカルな動きに振らされやすい
  • 米国で経済活動の再開が早かった地域では新型コロナウイルスの感染拡大が再燃。ロックダウンに至る公算は小さいが、景気回復のスピードの鈍さは意識されやすい

背景

  • 日経平均株価は前日比293円高で取引を終了。一時450円超の上昇。アジア株もほぼ全面高
  • 5月の米中古住宅販売成約指数は市場予想を上回り、統計開始以来の大幅上昇。住宅ローン金利の低下や一部の州でのロックダウン(都市封鎖)解除が追い風に
  • 中国の製造業PMI、6月は予想を上回り上昇-コロナからの持ち直し継続
  • 米国では経済活動再開の規模を縮小する地域が増加。アリゾナ州知事は29日、バーやスポーツジム、映画館の営業停止を発表。ニュージャージー州知事は7月2日から店内飲食の解禁を見送ると述べた
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