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香港ドル需要が急拡大-株式購入で中国本土投資家が香港支える

  • 中国本土勢が香港株90億米ドル購入、香港国家安全法の計画発表以来
  • 強気のセンチメントや株式市場接続が流動性呼び込むと市場関係者

香港ドル相場を巡る状況が一段と政治色を強めつつある中、同通貨の需要は高まっている。現在、中国本土勢の買いが香港ドル相場と香港株式相場の押し上げに寄与している。

  香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)は8日、総額158億香港ドル(約2190億円)規模の香港ドル売り・米ドル買い介入を実施した。香港ドルと米ドルのペッグ(連動)制防衛を図る介入を4月後半に開始して以来最大規模。これまでの介入総額は約120億米ドル(約1兆2900億円)。

  8日の為替介入は、トランプ米大統領の一部の側近が中国の「香港国家安全維持法」制定への制裁措置として香港ドルと米ドルのペッグ制に打撃を与えることを検討していると伝えられた後に行われた。中国本土に拠点を置く投資家らはこの日、10億米ドル余りに相当する香港株を購入し、香港を支える姿勢を示した。

Hong Kong's currency is persistently at the strong end of its band

  今回の出来事は、香港の金融システムが米中競争に一段と深く巻き込まれつつあることを示している。だが現在のところ、香港市場はこうした緊張関係の影響を免れているようだ。急成長の中国企業株や人民元高に加え、低いバリュエーション(株価評価)が寄与し、香港株の強気相場入りをもたらした。中国が香港国家安全法を制定する計画を初めて発表して以来、中国本土勢による香港株の購入は90億米ドル相当に近づいている。

  光銀国際投資のマネジングディレクター、林樵基(バニー・ラム氏)は「強気のセンチメントにより香港に短期資金と流動性が流入している」と指摘。「中国株式市場は急上昇しており、多くの人が香港との株式市場接続(ストックコネクト)を利用して香港株を購入している。こうした全ての要因が流動性を呼び込んでいる」と説明した。

原題:Surging Demand for Hong Kong Dollars Underscores Beijing Support(抜粋)

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