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日本株は反落、新型コロナ感染拡大や米金利低下-金融など全業種安い

更新日時
  • 米国でコロナ新規感染は初の6万人超、東京都の新規感染者数は最多
  • 9日の米10年債利回りは低下、米大手銀は人員削減を準備

10日の東京株式相場は反落。米国や国内で新型コロナウイルスの感染が加速していることや米金利低下から景気の先行きが警戒され、銀行や証券など金融、自動車、原油関連株中心に東証全33業種が安くなった。

  • TOPIXの終値は前日比22.04ポイント(1.4%)安の1535.20
  • 日経平均株価は238円48銭(1.1%)安の2万2290円81銭

〈きょうのポイント〉

  • 米国での9日の新型コロナ新規感染、初の6万人超-3州で1日の死者過去最多
  • 9日の米10年債利回りは0.61%と5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下
    • 米銀ウェルズ・ファーゴは数千人規模の人員削減を準備
  • 9日のニューヨーク原油先物相場は3.1%安の1バレル=39.62ドルと急反落
  • 東京都のコロナ新規感染者数は最多の243人、2日連続で200人超-報道

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之シニアストラテジストは「米国、日本とも新型コロナの感染拡大への警戒感がさらに高まっている」とした上で、「感染が収束に向かっていない中でコロナのマイナスの影響が小売決算や不動産空室率などのデータにも表れてきているため、楽観論の揺り戻しが起きている」と述べた。

  朝方は小幅な値動きに終始したものの、上場投資信託(ETF)分配金に伴う需給懸念も根強い中で電機などがマイナス圏に沈み、その後はじりじりと指数の下げが広がった。昨日の米S&P500種株価指数が反落し、きょうの中国上海総合指数も売りが先行。アイザワ証券市場情報部の坂瀬勝義国内情報課長は「このところしっかりしていたことによる利益確定売りと、中国株が売られてきている影響が出ている」と言う。

  米国株市場で金融株が売られた流れが波及し、業種別では銀行や証券・商品先物取引など金融株の下げが目立った。みずほ証券の倉持靖彦マーケットストラテジストは「金利低下と貸し出し増加に伴う将来的な不良債権コスト懸念から伝統的な商業銀行の収益環境は厳しい。これは日本も同じ状況だ」とみていた。

  • 東証33業種では鉱業や証券・商品先物取引、不動産、その他金融、輸送用機器、小売が下落率上位
反落
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