日本株は反落、国内外で感染再拡大に警戒-東京都で過去最多見込み
伊藤小巻、牧綾香-
小池知事は都外への移動自粛要請、米テキサス州で新規感染者最多
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米鉱工業生産指数は予想上回る伸び、NY連銀製造業景況指数も上昇
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16日の東京株式相場は反落。米国で新規感染者が増加していることに加え、国内では東京都が新型コロナウイルス感染拡大から、警戒を最高レベルに引き上げ、経済回復の遅れが生じることが懸念された。これまで上昇していたハイテク株や医薬品株などが売られた。一方、銀行、不動産、陸運、空運などは上昇。
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〈きょうのポイント〉
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JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳チーフ・グローバル・マーケット・ストラテジストは、「感染者拡大を放置すれば後々苦労するし、経済活動を制限すれば足元から回復は抑制され、どちらにしろ経済回復には時間がかかる」と指摘。「GOTOキャンペーンは考え直されそうだが、景気回復ペースに対して不安感は残る。ワクチン開発進展の話なども出ており、期待はあるが不確実で楽観はできない」と話した。
反落して始まった日本株は午前にTOPIXが前日終値を上回る場面もあったが軟調に推移。中国の6月小売売上高が市場予想を下回ったことや、東京都のウイルス感染者数が過去最多となる見込みを受けて下げ幅を拡大させた。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「ワクチン進展の好材料を昨日でほぼ織り込み、材料不足で日経平均2万3000円台手前で膠着感が強まっている」と指摘。ただ、「多くの国でロックダウンの再導入などの深刻な状態には至っておらず大きく下げる材料もない」と話していた。
- 東証33業種では、医薬品、電気・ガス、情報・通信、サービス、精密機器、電機が下落率上位
- 空運、不動産、その他金融、鉄鋼、繊維製品などは上昇