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【債券週間展望】長期金利は一段上昇、需給悪化懸念や首相辞任報道で

9月第1週(8月31日-9月4日)の債券市場では長期金利が一段と上昇する展開が見込まれている。10年債と30年債の入札を控えて、需給悪化懸念がくすぶっている。また、安倍晋三首相の辞任報道をめぐって、利回り曲線のブルフラット(平たん化)巻き戻し観測で売り圧力がかかりやすいとの指摘も聞かれている。

新発10年債の利回り推移

市場参加者の見方

◎SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジスト

  • 9月は前半に30年債と20年債、後半には40年債の発行もあり、超長期ゾーンの供給圧力を背景にベアスティープ化しやすい環境にある
  • 中間決算期末で投資家がリスクを取りづらい面もあり、金利は下がりにくいイメージ
  • アベノミクスは円安・株高・ブルフラット化要因で、首相の退陣はそれをひっくり返す形になる
  • 長期金利の予想レンジは0.04%~0.06%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 来週は10年債、30年債と入札が続くことから、上値追いには慎重な投資家が多いだろう
  • 7月からの増発や海外勢の買い減少など需給面の影響を背景に中期債利回りが上昇すれば、長期や超長期債の利回りにも上昇圧力がかかる
  • 一方、金融緩和政策の長期化見通しを背景に投資家の押し目買い姿勢に変化はないだろう
  • 長期金利の予想レンジは0.02%~0.07%


国債入札予定

対象年限発行予定額
9月1日10年2.6兆円程度
  3日30年9000億円程度

日銀オペ予定

対象年限直近の通知額
8月31日1-3年4200億円
3-5年3500億円

主な材料

  • 8月31日:7月の小売売上高、鉱工業生産

        8月の中国製造業・非製造業PMI

  • 9月1日:7月の完全失業率

   8月の米ISM製造業景気指数

       8月の中国財新製造業PMI

  • 2日:日銀の若田部副総裁、佐賀県金融経済懇談会であいさつ、記者会見(オンライン)

        8月の米ADP雇用統計 、7月の米製造業受注

  • 3日:日銀の片岡審議委員、沖縄県金融経済懇談会であいさつ(オンライン)

        米シカゴ連銀総裁、講演(オンライン)

        米新規失業保険申請件数、8月の米ISM非製造業総合景況指数

  • 4日:8月の米雇用統計
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