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【日本株週間展望】下値固め、米株調整度合い見極め-景気は下支え

9月2週(7ー11日)の日本株は下値固めの展開となりそうだ。米国株が不安定な動きとなっている上、重要経済指標など材料も乏しいとあって、積極的にリスクを取りづらい。ただ、緩やかな景気回復基調は変わっておらず、下げ幅も限定されそう。

  右肩上がりだった米国株が3日に大幅安となり、中でもナスダック総合指数は5%安と3カ月ぶりの大幅調整となった。米国株高をけん引してきた大型テクノロジー株が変調を示したことで、調整の度合いを確認するまで日本株市場でも積極的な買いが手控えられる可能性がある。米国の連邦公開市場委員会(FOMC)を翌週に控えるほか、8日告示、14日投開票の自民党総裁選で次期政権を見極めたいとのムードも強まりやすい。

  経済指標では米国で10日に8月の生産者物価、中国では7日に8月の貿易収支、国内では9日に8月の工作機械受注、10日に7月の機械受注などがある。経済活動の再開による景気回復基調は変わっていないとみられ、ファンダメンタルズの堅調さは株価を支える要因となる。このほか、国内では需給面で11日に株価指数先物・オプション9月限の特別清算値(SQ)算出が予定される。1週のTOPIXは週間で0.7%高となった。

《市場関係者の見方》
アセットマネジメントOneの村上尚己シニアエコノミスト

  「材料に乏しく、いったん底固めとなりそうだ。米国株安の要因は明確ではないものの、上げ続けでバリュエーションが高いのも事実。ここまで下げが大きくなると売らなければならない投資家も出てくるため、米国株の下げが続くのかが焦点になる。しかし、景気回復や金融緩和などファンダメンタルズに変化はない。6月のナスダック株安の際も結果的には買い場となっており、今回も短期間の調整で済むだろう。国内政治は組閣と選挙のタイミングに興味が移る中、次期総裁の勝ち方が注目される」

T&Dアセットマネジメントの浪岡宏ストラテジスト

  「乱高下しながら下値を固めると予想している。日経平均は8月28日に付けた安値2万2594円が意識される。日本の8日の毎月勤労統計を気にしている。所定外給与がここのところ前年比でマイナスとなっており今後の消費は厳しくなると注目している。6月まではキャッシュレスによる還元策などがあったが、マイナポイントなど消費喚起策が機能していない中、外出を控えている状況で残業代が減ると消費には厳しい。じわじわと景気や株価に影響が出てくる可能性がある」

1週は上昇
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