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9月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎米国市況:株反落、ハイテク売りが再燃-ポンドは急落

  10日の米株式相場は反落。5カ月に及ぶ上昇局面を経てバリュエーションが高くなり過ぎていたとの懸念が根強い中、大型テクノロジー株が再び売りを浴びた。米国債は反発。朝方は下げていたが、株式相場の下げ加速につれて上昇に転じた。

  • 米国株は反落、ハイテク売り再燃-エネルギー銘柄も安い
  • 米国債は反発、10年債利回り0.68%
  • ポンド急落、EU離脱巡る懸念が増大
  • NY原油先物は反落-米在庫、7月以来の増加
  • 金スポット小反落、ドル持ち直し受けて下げに転じる

  S&P500種株価指数は2.1%安となる場面があった。ナスダック100指数は7営業日連続で前日比の変化率が1%以上となり、ボラティリティーの高さが際立っている。原油相場が下げる中、エネルギー株は大幅安。

  S&P500種が前日比1.8%安の3339.19。ダウ工業株30種平均は405.89ドル(1.5%)安の27534.58ドル。ナスダック総合指数は2%低下。米国債市場では10年債利回りが2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.68%。

  この日は米国の指標が労働市場回復に起伏があることを示したほか、欧州が再び新型コロナウイルスの感染中心地となり、慎重ムードが強まった。

  BNYメロン傘下ロックウッド・アドバイザーズのマット・フォレスター最高投資責任者(CIO)は、「相場調整はおそらくまだ終わっていない」と指摘。「相場に特に影響した材料の特定は難しいが、英国が合意なきEU離脱に向かうとの懸念で為替のボラティリティーが増大したほか、欧州のコロナ感染状況が悪化したとのニュースもあった」と述べた。

  外国為替市場では、ポンドがドルに対し3月以来の大幅下落。英国が欧州連合(EU)との離脱合意の一部を一方的に変更する計画の取り下げを拒んだことで売りが膨らんだ。ポンドは1.5%安の1ポンド=1.2805ドル。

  ユーロは対ドルで0.1%高の1ユーロ=1.1815ドル。日中は一時、約1%高まで上昇していた。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は、ユーロの為替レートは物価への影響に鑑み監視する必要があると述べたが、差し迫った政策調整の必要性は示唆しなかった。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%上昇。ドルは対円では0.1%安の1ドル=106円13銭。

  ニューヨーク原油先物相場は反落。米エネルギー情報局(EIA)統計で、米国の原油在庫が7月半ば以降で初めて増加したことが分かった。オクラホマ州クッシングの貯蔵施設の在庫は5月以来の高水準となった。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物10月限は75セント(2%)安の1バレル=37.30ドル。ロンドンICEの北海ブレント11月限は73セント安の40.06ドル。

  金スポット価格は小幅に反落。ドル指数が持ち直したことを受けて、下げに転じた。ニューヨーク時間午後3時56分現在は0.1%安の1オンス=1944.36ドル。新規失業保険申請件数の発表で、米国における失業の長期化が示されたことなどを受け、一時は1%上げていた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.5%高の1964.30ドル。

原題:U.S. Stocks Resume Selloff With Tech Battered Anew: Markets Wrap(抜粋)

Pound’s Slide Sparks a Rebound in the Greenback: Inside G-10(抜粋)

Oil Falls With Growing U.S. Crude Supplies and Fuel Demand Fears(抜粋)

PRECIOUS: Spot Gold Fades With Dollar Recovery Sapping Demand(抜粋)

◎欧州市況:株下落、ECB総裁発言でユーロは上昇-ドイツ債下落

  10日の欧州株は下落。欧州中央銀行(ECB)がここ最近のユーロ高に対して警戒感を抱いていないことが示唆され、ユーロが上昇し、その影響が懸念された。

  ストックス欧州600指数は0.6%安。鉱業や建設セクターを中心に売られた。ラガルドECB総裁が為替レートへの懸念を表明しなかったことから、ユーロは一時、対ドルで0.7%上昇して1ユーロ=1.1880ドルをつけた。ラガルド総裁は、ECBは特定の為替水準を目標にすることはしないと繰り返し強調した。

  ユーロ高に加えて、欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、再び制限措置が導入されるとの見方もあることから、投資家は株式の利益を確定すべきか、投資を維持するかの間でジレンマに陥っている。

  ベレンバーグのマルチアセット戦略・調査の責任者、ウルリッヒ・ウルバーン氏は、「投資家はまだ多くの手持ち資金がある」と指摘。「年内は前向きにみており、シクリカル銘柄を選好している。特に欧州の小型株に注目している」と述べた。

  欧州債市場ではドイツ債が下落。ユーロ高について過剰反応する必要はないというのがECBの全体的な見方だったとの関係者の話が手掛かり。ラガルドECB総裁は、金融政策の緩和を押し進める必要性は示唆しなかったが、ユーロがインフレに及ぼす影響を注視すると述べた。

  ドイツ債は10年債を中心に下落。米国債とドイツ債の5年債と30年債の利回り差は55ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大し、終値ベースで2015年4月以来の大幅となった。

  イタリア債は変わらず。ドイツ債とのイールドスプレッドは4bp縮小して144bpと、ここ1週間での最小となった。

  英国債も変わらず。利回り曲線はスティープ化した。欧州連合(EU)は英国に対し、EU離脱合意の一部を一方的に変更する計画を月末までに計画を取り下げるよう迫った。短期金融市場は次回のイングランド銀行(英中銀)による10bpの利下げを来年2月と織り込んでいる。前日は3月だった。

  ドイツ10年債利回りは4bp上げてマイナス0.43%。フランス10年債利回りは3bp上げてマイナス0.14%。イタリア10年債利回りは1bp低下して1.01%。

原題:Bunds Fall as ECB Holds Fire on Euro Strength; End-of-Day Curves(抜粋)

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