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オラクル、TikTok米事業買収で優位な立場に-関係者

更新日時
  • バイトダンスは米財務省に計画案を提出、オラクルが関与認める
  • TikTokの米データ、オラクルのサーバーに保管される可能性も

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中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を巡る交渉で、米オラクルがマイクロソフトを抑え、取引成立に向けて前進した。

  バイトダンスとオラクルによる取引には、新たに構成されるティックトック事業の株式取得が含まれる公算が大きいが、売却というよりも企業再編に近い形式になりそうだという。非公開情報を理由に関係者が匿名を条件に語った。

  オラクルと協議中の条件は、なお流動的だと関係者1人は説明。新たに設立する米事業の株式をオラクルが取得し、ティックトックの米技術パートナーとなるほか、同社のデータをオラクルのクラウドサーバーに保管するといった構想が話し合われているという。

  事情に詳しい複数の関係者によれば、オラクルとマイクロソフトからの提案は当初、いずれもティックトック米事業を約250億ドル(約2兆6400億円)と評価していたが、これは中国当局がテクノロジー輸出を制限する新たなルールを検討していると明らかにする前のことだった。

  オラクルは14日の発表文で、同社は「バイトダンスが週末に財務省に提出した提案に関与している」と確認した。

  14日の米株式市場でオラクル株は上昇。前週末比で7.9%高となる場面があった。

  当初はマイクロソフトが米小売り最大手のウォルマートと共同で行っていた提案が、有力と目されていた。事情に詳しい関係者によると、協議はこの数日間で冷え込んでいた。中国政府当局者から反対の意向が示唆される中、マイクロソフトは最初の提案の修正を求められなかったという。

  ムニューシン財務長官は14日、トランプ政権が週末にティックトックからの提案を受理したことを確認。「信頼できる技術パートナー」としてオラクルが含まれていると明らかにした。長官が提案を審査してトランプ大統領に勧告し、大統領が決定を下すと説明。取引成立期限は9月20日で変更しないと強調した。

  マイクロソフトは13日の発表文で「バイトダンスは本日、ティックトックの米事業をマイクロソフトに売却しない意向であると知らせてきた」と説明。「われわれの提案が国家安全保障上の利益を守りつつ、ティックトック利用者にとって良い内容であったであろうことに自信を持っている」とした。マイクロソフトの担当者はさらなるコメントを控えた。

マイクロソフトの提案をバイトダンス拒否-TikTok事業買収

  中国政府は14日、バイトダンスとオラクルの提携見通しに関するコメントを控えた。ただ中国外務省の汪文斌報道官は北京での記者会見で、「中国はティックトックに関する立場を何度も説明してきた。米国はティックトックを包囲しようとしている。政府が取引を強制する典型例だ」と語った。

  ティックトックの担当者はコメントを避けた。ホワイトハウスもコメント要請に返答していない。 

  一方でウォルマートは、オラクル率いる投資家グループと並行してティックトックに出資することに引き続き関心を持っている。ウォルマートの広報担当者は13日、「バイトダンス首脳および他の当事者との協議を継続している。いかなる合意も全ての規制上および国家安全保障上の懸案に対処するものでなくてはならないと認識している」とコメントした。

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