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米小売売上高:8月は伸びが減速、失業保険上乗せ給付が失効

更新日時

米商務省が発表した8月の小売売上高は、予想以上に伸びが減速した。連邦政府が当初設けた失業保険上乗せ給付や小規模企業支援が失効したほか、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が引き続き経済活動を抑制している。

キーポイント

  • 8月の小売売上高は前月比0.6%増
    • エコノミスト予想の中央値は1%増
    • 前月は0.9%増(速報値1.2%増)に下方修正

Downside Surprise

U.S. retail sales increased by less than forecast in August after revision lower

Source: U.S. Commerce Department

  飲食店と自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたベースのコア売上高は前月比0.1%減少し、予想も下回った。

  営業を再開する店舗や飲食店が増え、当初大きく拡大していた消費支出は勢いが鈍化した。週600ドルの上乗せ給付金が7月末で失効し、新学期に絡んだ支出が減速したことも小売り活動に影響した。

  パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェファードソン氏は「失望される内容であり、失業保険上乗せ給付の失効後に起きる状況を示唆している」とリポートに記述。「この統計が示しているのは、勢いが弱まっているが、売り上げは引き続き増加しているということだ」と指摘した。

  小売売上高の合計はパンデミック前の水準を上回っているが、個人消費の傾向が変化していることを示唆している。飲食店や衣料品店などのカテゴリーは前年同月の水準をなお下回っているが、無店舗は前年同月比22.4%増加した。

  8月は主要13項目のうち9項目が前月比で増加。飲食店や衣料品、家具の伸びが目立った。自動車および同部品は小幅増。無店舗は横ばい。スポーツ・趣味用品は13項目の中で最も落ち込んだ。百貨店や食品・飲料も減少した。

  週600ドルの上乗せ給付金の失効に伴い、 トランプ大統領が8月初めに大統領令で週300ドルの一時的な措置を講じたが、このプラグラムを通じた支給は州によってばらつきがある。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:U.S. Retail Sales Increased by Less Than Forecast in August(抜粋)

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