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英中銀、マイナス金利導入準備を本格化へ-不透明な景気見通しに対応

  • マイナス金利の導入方法巡り、年内に規制当局と調整を開始
  • 英中銀MPC、政策金利と債券購入プログラムを全会一致で据え置き

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イングランド銀行(英中央銀行)は17日、マイナス金利を検討する方針をこれまでで最も明確に示唆した。経済が異例の不確実な時期に入ったことに対応する。

  アンドルー・ベイリー総裁率いる金融政策委員会(MPC)は、政策金利を0.1%に据え置き、債券購入プログラムを7450億ポンド(約100兆円)で維持することを全会一致で決めた。同時に、マイナス金利の導入方法について年内に英健全性規制機構(PRA)と「体系的調整」を開始する方針も明らかにした。

  会合の議事要旨によれば、「中立金利が低いこの時期のある時点でインフレと生産の見通しがマイナス金利の妥当性を示した場合に、どのように効果的に導入できるかを英中銀が検討する計画について、MPCは説明を受けた」という。

  当局者らはこれまで、マイナス金利が妥当かを検証していると発言していたが、導入に向けた準備をさらに進めることを示唆した。ポンドは下落しロンドン時間午後0時34分は0.5%安の1.2905ドル。

Sterling falls on speculation of the BOE cutting interest rates below 0%

  8月会合の議事要旨では、マイナス金利は英国の金融システムに悪影響を与える可能性があると指摘していたが、新型コロナウイルス感染再拡大や失業急増懸念の中で追加緩和の見通しは強まった。欧州連合(EU)離脱の移行期終了前に通商合意を結べない可能性も波乱要因だ。

  当局者らは、最近のデータは若干予想よりも強かったものの「高水準の失業が予想よりも長期化するリスク」があると指摘した。ただ、7-9月(第3四半期)の国内総生産(GDP)は2019年末に比べ7%減との見通しを示し、8月時点の8.6%減から予想を上方修正した。

  MPCは「状況を注意深く見守り続け、責務を果たすために政策を調整する用意がある」と表明した。今回の政策発表以前の段階で、エコノミストらは資産購入額が11月に500億ポンド引き上げられると予想していた。

原題:BOE Steps Up Talks on Negative Rates Amid Uncertain Outlook (1)BOE Steps Up Negative Rates Work as Threats to Economy Multiply(抜粋)

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