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米金融当局者らが追加財政刺激策の必要性強調-先行きリスクに警鐘

  • 連邦準備制度当局者5人、力強い景気回復後の困難な道のりを予想
  • 構造的衝撃で銀行や保険会社の融資能力に影響も-ボストン連銀総裁
Jerome Powell listens during a House Select Subcommittee on the Coronavirus Crisis hearing in Washington, D.C. on Sept. 23.
Jerome Powell listens during a House Select Subcommittee on the Coronavirus Crisis hearing in Washington, D.C. on Sept. 23. Photographer: Stefani Reynolds/Bloomberg

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金融当局者らは23日、米景気回復を持続させるには追加の財政刺激策が欠かせないと強調した。新たな経済対策が早期に米議会を通過するとの期待がしぼむ中、この日の米国株は大幅に下落した。

  パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は23日に議会公聴会で、追加経済対策を巡る政治的行き詰まりの中、追加支援が必要になる可能性が高いと発言。クリーブランド連銀のメスター総裁は、米経済が抜け出そうとしている「深い穴」を考えれば追加策は大いに必要とされていると指摘した。

  シカゴ連銀のエバンス総裁は、自身が想定していた景気刺激策が間近に迫っていないことへの懸念を表明。ボストン連銀のローゼングレン総裁は「景気回復の最も困難な部分はまだ先にある」と述べ、向こう1年3カ月の雇用の回復について他の金融当局者より悲観的だと語った。

  ローゼングレン総裁は商業用不動産の「気掛かりな」兆候に特に懸念を示したほか、「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のような構造的ショックは不良債権を大幅に増やし、いずれ銀行や保険会社の融資継続能力に影響を与える事態を招く恐れがある」と指摘した。

  クラリダFRB副議長はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、数カ月前の当局者の予測よりもこれまでの景気回復は力強いと強調した上で、今後は困難な道のりになるとの見方を示し、財政政策による支援が役立つという見解を繰り返した。

原題:Fed Pleads Anew for Stimulus, and Markets Start to Give Up Hope(抜粋)

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