スナク英財務相、雇用の「悲劇」対策を発表-賃金補助や融資延長
Tim Ross-
新型コロナまん延と制限措置は少なくとも6カ月は継続する公算大
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全ての企業、雇用を守ることはできない-スナク氏
スナク英財務相は24日、国内企業の冬越えを助ける措置を発表するとともに、雇用喪失の「悲劇」はすでに起きていると警告した。同国では新型コロナウイルスの感染が全国で再拡大している。
スナク氏は議会への緊急声明で、パートタイム勤務の労働者を対象とした賃金補助や、企業へのローン延長、さらに付加価値税(VAT)減税の延長などを盛り込んだ計画を明らかにした。
スナク氏は英国経済が「より恒久的な調整」を迎えており、さらなる人員削減は不可避だと述べた。感染拡大を防止するための制限措置は今後少なくとも6カ月間続く可能性がある。外部の予測では失業率が年末までに10%に向かって上昇する可能性がある。スナク氏はこうした見通しについて、「それこそ悲劇だ」と発言した。
「私は全ての企業を救うことはできないし、全ての雇用を守ることもできない。どの財務相にも不可能なことだ」と、同財務相は語った。
スナク財務相が打ち出した雇用対策 |
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今回発表された対策の中心は、来月末に期限を迎える政府による賃金肩代わり措置を引き継ぐ新たな雇用支援策だ。現行策では一時帰休中の従業員賃金の80%を政府が負担する。
新たな雇用対策では、従来の勤務時間の少なくとも3分の1の就労時間で職場に復帰した労働者に対して補助金が支払われる。雇用主が労働時間に対する賃金を支払うほか、削減された就業時間の賃金を政府と雇用主が分担し、穴埋めするというものだ。
これにより従来賃金の少なくとも77%が労働者に保証されることになる。しかし同時に通常の勤務時間の3分の1しか働けない労働者に、雇用主が賃金の55%を負担することも意味する。
原題:Sunak Says Many More U.K. Jobs Will Go Despite Crisis Support(抜粋)