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米経済対策、選挙前の合意困難に-トランプ政権と民主が非難合戦

更新日時
  • 民主党は上院掌握見込んで交渉に後ろ向きだとムニューシン財務長官
  • 政権は追加経済対策の必要性を十分真剣に受け止めていない-民主党
Steven Mnuchin.

Steven Mnuchin.

Photographer: Drew Angerer/Getty Images North America

ムニューシン米財務長官は14日、数カ月に及ぶ追加経済対策の協議の進展を阻んでいるのは大統領・議会選を控えた政治情勢に原因があるとの認識を示した。選挙前に対策がまとまる可能性はほぼ消滅した形で、トランプ政権と民主党は交渉行き詰まりの責任は相手側にあると非難合戦を繰り広げた。

  ムニューシン長官はミルケン研究所のグローバル・コンファレンスで、「協議がここまで入り組んでいることを踏まえると、現時点では選挙前に何かを成し遂げ、実行するのは難しい」と語った。

  長官は質問に答える形で、民主党が11月3日の議会選で上院の過半数議席を獲得できると見込んで交渉に後ろ向きになっているほか、投票日前にトランプ大統領に成果を誇る材料を与えたくないという思惑もあるのが「実情の一端」との見方に同調した。

  また、ホワイトハウスのクドロー国家経済会議(NEC)委員長はCNBCとのインタビューで、民主党のペロシ下院議長が交渉で「われわれをだまし続けている」と非難し、ムニューシン長官は「いら立っている」と語った。

  一方、民主党は政権が譲歩しないのは新型コロナウイルスの感染拡大や、追加経済対策の必要性について十分真剣に受け止めてないためだと批判。経済対策に関する政権側の立場も一貫性を欠いて、予測不可能だと指摘した。

  ムニューシン長官はこの日午前にペロシ議長と電話で協議したが、合意には至らなかった。共和党のマコネル上院院内総務は中小企業支援に絞った法案の採決を来週実施する案を提示しており、ムニューシン長官はこの案に超党派の支持を期待するとしているが、民主党指導部は現在、断片的な措置には関心がない。

  ムニューシン長官は来週、中東訪問を予定している。

原題:Stimulus Chances Dying as Mnuchin Cites Closeness of Election(抜粋)

(クドロー氏のコメントなどを追加して更新します)
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