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来年度の国債市中発行額、221.4兆円と過去最大-40年債を増額

更新日時

財務省は21日、2021年度の国債発行計画を発表した。機関投資家向けに販売する市中国債発行額(カレンダーベース)は221兆4000億円と、新型コロナウイルス感染拡大を受けた追加経済対策の財源として過去最大に膨らんだ今年度第3次補正予算後と比べて9兆1000億円増加する。

  年限別では投資家から需要が強い40年債を年間6000億円増額する一方、それ以外の利付債や物価連動債、流動性供給入札は今年度補正予算後から据え置く上、6カ月物の割引短期国債は年間4兆4000億円減額する。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「40年債の増発は五分五分の見方だったのでネガティブだが、市場の要望に応えた増額でもあり、投資家の買いが入れば影響は長続きしないだろう。20年債の増発見送りもポジティブで、利回り曲線がスティープ(傾斜)化し続けるイメージはない」と指摘。一方、「全体の金額が補正後比で増加したのは予想外で、短期国債が大幅に減額されず、短いゾーンの荷もたれ感は残る」との見方を示した。

キーポイント
  • カレンダーベース市中発行額は今年度第3次補正後比9.1兆円増の221.4兆円
  • 隔月発行の40年債は、入札1回当たり0.1兆円の増額
  • 割引短期国債6カ月物は、年間4.4兆円の減額

年限別国債(市中消化)発行額・回数 

                 ()は今年度第3次補正後比

年限年間発行額
入札1回当たり発行額
回数
40年債3.6兆円0.6兆円(0.1兆円増)年6回
30年債10.8兆円0.9兆円(変わらず)年12回
20年債14.4兆円1.2兆円(変わらず)年12回
10年債31.2兆円2.6兆円(変わらず)年12回
5年債30.0兆円2.5兆円(変わらず)年12回
2年債36.0兆円3.0兆円(変わらず)年12回
10年物価連動債0.8兆円0.2兆円(変わらず)年4回
1年割引短期国債42.0兆円3.5兆円(変わらず)年12回
<その他>
6カ月割引短期国債41.2兆円(年間で4.4兆円減)
流動性供給11.4兆円(年間で変わらず)
計221.4兆円

  カレンダーベース市中発行額について、定期的な入札による発行は9.1兆円増えるが、現在の入札1回当たり発行額を維持した場合の「平年度化ベース」との比較では3.8兆円の減額となる。

Record Debt Sale

Japan auction supply to rise for first time in nine years in FY2021

Finance Ministry

  21年度の国債発行総額は、今年度補正予算後に比べて27.1兆円減の236兆円となる。今年度に増発した短期国債が償還する影響で借換債が大幅に増加する一方、新規国債が補正後に比べて69兆円減の43.6兆円程度と、大幅に減少するためだ。

(第3段落に市場関係者のコメントを追加して更新しました)
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