ECB、金融緩和決定の参考になる新たな指標を模索-関係者
Jana Randow-
政策委員会は3月会合に合わせて新指標を提案する課題を担った
-
金融環境が良好か否かは「総体的なアプローチ」で評価-ECB総裁
1日を始める前に押さえておきたい世界のニュースを毎朝お届け。ブルームバーグのニュースレターへの登録はこちら。
欧州中央銀行(ECB)の当局者は、ユーロ圏の金融環境を測る新たな指標を考案するようスタッフらに求めた。新型コロナウイルス禍で打撃を受けた域内経済に必要な金融緩和の規模を今後決定する際、参考とされる可能性がある。
ECBの政策委員会は3月の会合に合わせて新たな指標を提案する課題を担ったと、協議に詳しい関係者が明らかにした。ECBの過去最低の金利や資産購入措置が信用環境にどれだけ影響しているかを示す新たな方法を一部の当局者は求めているという。協議が非公開だとして関係者は匿名を条件に述べた。
ECB報道官は協議内容についてコメントを控えた。
ECB政策委員会は昨年12月の会合で金融政策による経済支援を強化し、企業と家計に対する「良好な」金融環境を維持する必要性をその理由の一部に挙げた。ただ、その言葉が実際に何を意味するのかが明確になっておらず、投資家はECBがどんな状況でさらなる行動を起こすのか予想するのが難しくなっている。
ECB、12月会合は追加措置の必要性で全員一致-拡大規模には異論
ラガルドECB総裁は21日、当局者が判断する際に考慮している指標について質問され、「良好な金融環境の評価は単独の指標で左右されるものではない」と回答。「総体的なアプローチであり、複数の指標を考慮する。銀行貸出や信用状況、ソブリン債利回りなど、それら全部を組み合わせることで、金融環境が良好か否かを評価しようとしている」と述べた。
関係者によると、ECBのチーフエコノミストであるレーン理事は今週の会議でさまざまな選択肢に関する議論を監督した。すべての当局者が新たな指標の必要性に同意した訳ではないという。
原題:ECB Seeks New Gauges by March to Aid Pandemic Stimulus Debate(抜粋)